博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

国際クロスメディアシンポジウム その1

2007年10月01日 | 旅行・オフ会・展覧会
14時からいよいよ中村座にて国際クロスメディアシンポジウムが開始。残念ながら金庸先生は急病で急遽来日を取り止めということになりましたが、代わりに香港天地図書公司副総編輯孫立川氏が来日され(何でも金庸先生の「片腕」とのことですが……)、「中国人にとっての武侠の意義と金庸先生」という題目での講演と、金庸先生が用意されていた講演の原稿の代読をつとめることに。

講演内容は20世紀に入ってからの旧派武侠小説の発生と金庸小説の特徴についてが主な内容で、金庸小説の特徴は武侠小説に歴史的な背景や歴史観を加味したこと、中国の伝統的文学に西洋文学的な手法を取り入れたこと、そして文学性の重視、武侠の「武」より「侠」を重視したことの4点で、現在まで全世界で金庸小説は5億冊売れたそうです。6年前の神奈川大学でのシンポジウムの時には、全世界で3億冊売れて、2億冊売れた『毛語録』を超えたとかいう話でしたけど(^^;)

金庸先生の原稿は、正直神奈川大学での講演内容と変わり映えせず…… 西洋の騎士を主人公とした小説と武侠小説との比較、『三国演義』に見られる中国の歴史文学の「三実七虚」、また源義経=チンギス・ハン説やヴェルギリウスの『アエネイス』に見られるように、民衆が悲劇のヒーローを好むのは洋の東西を問わないということなどをネタにされていました。まあ、何だかんだと明清あたりからの通俗文学の伝統を引き継いでいるあたりが、中華圏で金庸小説が読まれ続けている一番の理由なんだろうなあと(^^;)

その後は金庸小説の翻訳でお馴染みの岡崎由美先生と孫立川氏による対談が行われましたが、ここら辺で日本語通訳の方が対応しきれなくなり、中国語が聞き取れない聴衆はどんな話をしているのだかよくわからないという状態に……(-_-;) 

『天龍八部』の一部を倪匡が代作した話とか、中国の高校生向け国語教科書で魯迅の小説が削除されて金庸小説が掲載されたという話題も挙がっていたようです。中国中央電視台の討論会で阿Qと韋小宝の比較がなされたりもしたとのことですが、結局魯迅の小説は金庸小説と違ってゲームとか漫画にならないという点が致命的ではないかというような話だったと思います……
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太秦戦国祭り

2007年10月01日 | 旅行・オフ会・展覧会
というわけで太秦映画村で開催の太秦戦国祭り&国際クロメディアシンポジウム、記念幇会から帰還しました。

今日から数日かけて当日の様子を報告していきますが、今夜は取り敢えず太秦戦国祭りの様子から。

シンポジウム開始より少し前に映画村に入り、ぶらぶらと歩いてましたが、あいにくの雨天ながら甲冑なんかを身につけたコスプレーヤーの姿がちらほらと…… 

そしてマクザムさんのブースに到着。



写真にあるようにデデーンとのぼりが飾られています。中では来年1~2月頃にDVDが発売予定の『碧血剣』が上映されており、そこに陣取っていた八雲さんたちと落ち合う。

そこで頂いたパンフによると、バリー・ウォン制作の『雪山飛狐』、そしてお待ちかねの『大漢風』と、『漢武大帝』も来年にマクザムさんからリリースされるとのこと。『漢武大帝』は『大漢風』のようにBSデジタルやCSで放映される予定なんでしょうか?気になるところです。

『碧血剣』の上映が終わるとぼちぼちシンポジウムの受付時間が近づいてきましたが、これについては明日以降に……
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