(前回:その1)
3月31日 朝食とるのも必死
1日目の3月30日は、北京に到着して西単の北京図書大厦を見て回った以外に特に語ることもないのでパス。ちなみに宿は地下鉄北京駅から徒歩数分の三元金安ホテルです。
旅の本番は2日目から。
まずは腹ごしらえをしなくちゃなりませんが、外に出て屋台を探すのも億劫なので、ホテルで済ませてしまうことにする。
6時半頃にフロント付近をうろついてみると、既に「セルフの朝食はこっち」という標識が出ています。しめしめと思って部屋に入ると、そこはえらく狭い所で、座席もちょっとしか用意されておりません。ところが客は次から次に入ってくる。
これはえらいことになったと、早々にお粥やマントウなどの食べ物を皿に盛り、座席を確保して食事にいそしみました。小姐に部屋の番号を言えば無料で食べさせてくれるのはありがたいですが、毎朝この調子で朝食をかっこむのは辛そうです。
中国国家博物館
朝食後、身支度を調えてまずは天安門広場へと出発。地下鉄の前門駅から出て前門(正陽門)を眺めてみれば、前門はシートや網をかぶせられて修復中でありました。あらあら困ったもんだねと思いましたが、今思えば、この修復中の前門は今回の旅の幸先を示すものだったのです……
気を取り直してまずは中国国家博物館から見学です。ここは中国歴史博物館と中国革命博物館の2つの博物館が前身で、最近になってこの2つの博物館を改組してできた所です。私が訪問した時は、特別展「徐州西漢楚王陵墓文物精品展」、珍蔵展(常設展のことだと思われる)、蝋人形展の3つの展示を見ることができました。
まずは入り口付近の預かり所で手荷物を預けて入館するのですが、係員のおばちゃんが「あんた、カメラは持って入らんでええのか?」とおっしゃる。「えっ、写真取ってええの!?」とデジカメを取り出し、喜びいさんで入館。まずは特別展の方を回ってみることに。ここでは獅子山楚王陵など、前漢期の楚王陵から出た文物が展示されているのですが、しょっぱなから「ここでは写真を撮るな」という看板が…… 「まあ、特別展だからしゃーないよね」と一通り見て回り、珍蔵展の方へ。
ここでは殷周期から清朝までの各時代の名品が陳列してあり、専門の殷周期の青銅器についても一級品揃いです。これは是非写真を撮らねば!と係員の女性に「写真を撮ってもいいですか?」と訊ねましたが、つれなく「ダメです」という答えが…… 「じゃあ、カメラはどこで使えるの?」と不審に思いながら一通り見て回り、蝋人形館へ。
ここでは始皇帝や毛主席といった各時代の権力者や文化人の等身大の蝋人形が展示されているのですが、観光客がめいめいその始皇帝や毛主席と隣り合って記念写真を撮っております。「そうか、カメラはここで使えということだったんだな」と納得した次第。
しかし歴史上の人物にまじって張芸謀やジャッキー・チェンの人形まで展示されているのは悪ふざけとしか思えません。そこで「ハッ!」と思い立ち、館内を探し回ってみれば、やはりありました。
我らが雷鋒同志の蝋人形が!!
思いがけず雷鋒の人形と遭遇できたことに満足し、国家博物館を後にしていよいよ故宮に向かうのでありました。
(その3に続きます)