Willow's Island

since 2005

日本の子育てとニート・引きこもり

2011年09月01日 04時54分59秒 | 子ども

 先日の日曜日は妻が夜間に外出しており、私一人で娘(3歳)を寝かしつけることになった。娘はいつも寝ている和室では寝たがらず、なぜか居間で寝たいと言い出したため、とりあえず居間で寝かせた。もう完全に寝入ったかと判断し、抱き上げて和室へ運ぼうとしたが、そこで目を覚ましてしまい、火がついたように泣き出した。狼狽した私は娘に謝り、また居間に連れていったが、それでも泣き止まない。「あっちで寝ないの!」「おかあさん、いつかえってくるの!?」とひたすら泣き叫び続けるのみであった。10分ほど経ってからようやく落ち着き、明かりを付けたままとする、という条件で和室で寝ることになった。泣いている間は娘も興奮状態で何を言っているのかよく分からなかったが、どうやら、母親なしで一人きりの部屋で寝ることに耐えられない、ということのようだ。
 それで思い出したが、アメリカでは子どもを乳幼児のころから一人で寝かせるものらしい。「独立心を養うため」という非常にアメリカらしい理由によるそうだ。私の娘には絶対に無理な話である。少年期ならともかく、赤ん坊に独立心も何もないだろう、と思うのだが。それに、放っておいても大人になれば誰でも親から独立するものだろう。それよりも、子どもが小さいころは日本式に親の愛情をたっぷりかけて育てた方が、人格形成にも良い影響があるのではないか。
 ・・・と思ったのだが、よく考えると、果たして日本の若者は大人になっても、本当に親から独立しているのだろうか? 日本において「ニート」と呼ばれる若者は63万人にも上るらしい。彼らのうち、親から独立している人はどれほどいるだろうか。親と同居し、依存している可能性が高いような気がする。仕事と収入がなければ、賃貸住宅の家賃を払うことなどできないからだ(ましてや持ち家は無理)。「引きこもり」にいたっては、全国に約70万人もいるそうだ。引きこもっている以上は、親から独立できるはずもない。
 もちろん日本の若者すべてがニートや引きこもりではないのだが、これほど多くの者が生産年齢に達しても親に依存している、ということは、やはり何か社会的、文化的な要因があると考えるべきかもしれない。欧米でニートといえば失業問題のことであり、引きこもり問題とつなげて考えられることはなさそうである。ニートと引きこもりが同一視されがちなのは、日本独自の状況だと思われる。そうなると、日本人の子育ての仕方に問題がある、という見方も可能だろうか。
 だからといって、これから日本の子どもをアメリカ式に独立させる方向で育てればいいのか、というと、根本的な解決にはならない気がする。文化的な風土が異なるし、仮にそれがうまくいったとしても、「ニート・引きこもり問題」が「失業者・ホームレス問題」に切り替わるだけのことだ。

 ところであまり関係ないが、全国でニートの比率が最も低い県は、岐阜県なのだそうだ。知らなかった。その次に低いのが愛知県である。製造業が強くて仕事があるからだろうか。
http://www.ara-hei.com/money/56.html