図書館で借りた「外交を喧嘩にした男 小泉外交2000日の真実」を読んだ。小泉純一郎氏が政権に就いていた5年あまりの日本外交の裏舞台を、読売新聞が徹底した取材と努力の末に明らかにしたノンフィクションである。2001年から2005年にかけての国際問題の発生、それに伴う北朝鮮、アメリカ、中国とのぎりぎりの交渉、などの実態が分かるようになっており、実に面白かった。普通に新聞を読むだけでは分からなかった外交の裏側を知ることができ、お薦めの本である。
今から思うと、小泉首相の時代は本当に良かった。現在の民主党政権があまりにも酷すぎるため、余計にそう思う。小泉元首相は批判も多かったが、鳩山や菅に比べれば遙かに政治家らしい政治家であり、良い意味での政治主導で外交を取り仕切ることができていた。信念、見識、判断力ともに優れ、外国人に対しても「日本の首脳である」と自信を持って言える存在であった。鳩山や菅は信念も見識も判断力もまったく存在せず、ただ単に恥ずかしいだけなのだが。
小泉元首相の信念とは、「日米中の関係は正三角形ではない。日米関係が何よりも大事だ。日米の揺るぎない同盟関係があって初めて、中国や韓国と正面から向き合うことができる」というものであった。まったくその通りである。昨年来の沖縄基地問題の迷走と、それに続く対中国、対ロシア関係の惨状を見れば、本当によく分かる。一昨年の衆議院選挙で民主党に投票してしまった人達には、今でも腹が立って仕方がない。