Willow's Island

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winny

2009年10月09日 21時34分38秒 | その他

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20091008_320251.html
 ファイル共有ソフト「Winny」を開発・公開したことが著作権法違反幇助の罪に問われた金子勇氏に対する控訴審判決公判が8日、大阪高等裁判所で開かれた。小倉正三裁判長は一審判決を破棄し、金子氏に対して無罪の判決を言い渡した。
(中略)
 一審判決では、Winnyは価値中立なソフトだと認めた上で、価値中立なソフトの開発・公開が著作権侵害の幇助に問われるかどうかについては、慎重な判断が必要だと指摘。判断基準として、1)実際のソフトウェアの利用状況、2)それに対する開発者の認識、3)開発者の主観的対応――の3点を示し、金子氏はWinnyが違法に使われていることを知った上で開発・公開を行っていたとして、金子氏に罰金刑を言い渡していた。
 一方、控訴審判決では、ソフト提供者が著作権侵害の幇助と認められるためには、利用状況を認識しているだけでは条件として足りず、ソフトを違法行為の用途のみ、または主要な用途として使用させるようにインターネット上で勧めてソフトを提供している必要があると説明。金子氏はこの条件に該当しないとして、一審判決を破棄し、無罪を言い渡した。
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 かつてwinnyを活用しまくっていた私としては、妥当な判決が出たに安心した。著作権違反を引き起こすという問題はあるけど、winny自体はすばらしいソフトだと思うし、winnyが違法だというなら他のファイル交換ソフトもすべて違反ということになる。開発者を捕まえて有罪、というのはいかにも見せしめ的で、まっとうな司法判断とは思えない。
 しかし、著作権の問題というのは難しい。例えば、Aという人がBという友人に、自分が読み終わった本や飽きたCDをタダで与えた場合、これは著作権の侵害といえるだろうか? また、BがAには何も言わず、その本やCDをCという別の友人にあげた場合はどうか。いずれも、「著作権侵害」などとは言われないのではないか。winnyはこういったやりとりをネット上で行っているだけである。違いといえば、交換する者同士が友人や知人ではなく名前すら知らない間柄であること、現物ではなく電子ファイルであること、ぐらいだ。こう考えると、winnyを利用することが本当に著作権を侵害することになるんだろうか、という気がしてくる。
 だがそうはいっても、みんながwinnyばかりを使うようになったら、コンテンツ産業が育たなくなる、というのも本当だろう。winny自体は確かに価値中立なソフトなのだが、よく考えると、音楽、動画、ゲームといった有名な著作物以外のものをわざわざファイル交換しよう、などという人はほとんどいないのでは。コンテンツ産業を守っていくには、やはりどこかで線引きが必要なのかもしれない。