Willow's Island

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メディア社会-現代を読み解く視点

2008年02月24日 21時50分25秒 | 

 図書館で借りた「メディア社会-現代を読み解く視点」という本を読んでみた。私は最近メディア論に強い関心があるため、非常に勉強になった。現代社会はメディアなしには成立せず、我々自身もメディアを通さずにして世の中を知ることなどできない。国民が世の中のことを分からなければ、民主政治も機能しない。メディアのあり方が変われば、社会そのものも変容するということだ。かようにメディアは大変に重要なものであり、メディア・リテラシーを磨くことは現代人にとって必須なのだと思う。
 この本の中で最も面白かったのが、韓流ブームについての考察だ。筆者によれば、このブームにはかなりの「疑似イベント性」が存在するのだそうだ。実は私も同じことを感じていた。実際、チャン・ドンゴンやウォン・ビンの知名度が上がる前に「四天王」なんて売り出し方をされても、正直訳が分からない。筆者によると、デジタル放送の本格化に伴い、日本のテレビ局はコンテンツ不足に悩むようになり、不足の穴埋めのため安価な韓国製ソフトを放送枠に定着させようと、NHKと民放が協同して韓流ブームを作り上げた、ということらしい。そしてブームのターゲットにされたのが、メディア弱者(現代においてもテレビしかメディアとの接触がない人達)である40代、50代の女性だった、というわけである。
 これが真実かどうかは分からないが、かなり面白い視点である。本当にそうだったのかもしれない、と思えるような説得力がある。