Willow's Island

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サザエさん うちあけ話

2007年10月07日 23時53分08秒 | 

 実は北海道へ旅行に行ったとき、小樽で古本屋に少し立ち寄り、古本を何冊か買った。その一つが「サザエさん うちあけ話」である。。「サザエさん」の作者である長谷川町子さんが、自分の半生をエッセイ式の漫画で綴ったものだ。子供のころにも少し読んだような覚えがあるが、全部は読んでいなかった。
 今になって改めて読んでみると、これがすごく面白い。長谷川さんが子供だった頃のこと、田河水泡へ弟子入りしたこと、戦時中の空襲のこと、終戦直後に「サザエさん」を描き始めたこと、漫画の出版で失敗したこと、逆に成功を修めたこと、連載を続けるのに苦労したこと、家族のこと、旅行のこと、などなど全てのエピソードが面白く、つい何度でも読み返したくなってしまう。やはり長谷川さん独自の天性ともいえるユーモア・センスが光っているからだろう。この本の出版年(1979年)から28年経った現在でも、十分に通用するユーモアである。国民栄誉賞を獲った長谷川町子さんは、ほのぼのした4コマ漫画を描けるだけではない、超一流のストーリーテラーだったのだ。