Willow's Island

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東山地方

2006年06月29日 20時32分45秒 | その他
 私が今研修を受けているのは、埼玉県和光市にある国立保健医療科学院というところだ。厚生労働省が設立した研究所兼研修所らしい。そこには図書館もあり、私は今日、昼休みに入ってみた。研究機関の図書館らしく、医療・福祉関係の専門書が多い。そんな中、政府の統計・白書なども多く揃えてあり、やたらと古いものも目に付く。「大正八年度 海軍省統計」やら「昭和十一年度 朝鮮総督府統計年鑑」やらがその当時の装飾のまま残されており、非常に興味深い。明治時代に発行された朝鮮総督府の統計を見てみたが、よくこんな細かいことまで、と思うほど詳しく調べられていた。漢城府(今のソウル)には20万人程度しか人口がなかったことや、住民の職業分類には「儒者」や「両班」があったことなどが分かり、大変面白かった。
 ところで、内地(今の日本国内)についても地方ごとに統計数値が算出されていたが、私が面白いと思ったのは統計の内容ではなく、当時の地方区分の仕方であった。今でこそ岐阜県は愛知県や三重県とともに東海地方に分類されているが、昔はなんと東海地方ではなく、「東山地方」とされていたのだ。愛知・三重・静岡が東海地方であり、岐阜・長野・山梨が東山地方、というわけである。東山地方などというのは初めて聞いたが、なるほど「東海」があるなら「東山」もあっていいはずだ。(^^) しかも愛知・三重・静岡が海に面しているのに比べ、岐阜・長野・山梨は内陸で山地が多い。昔の分類の方が、海のない岐阜県を「東海」と呼ぶ現在より、遥かに理にかなっている。
 とは言ったものの、今や岐阜は文化的にも経済的にも名古屋圏にどっぷりと浸かってしまっている。今さら「君たちは長野や山梨と仲間なんだよ」とか言われても、岐阜県民としてはあまりピンとこないのも事実だ。