Willow's Island

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バルトの楽園

2006年06月22日 07時24分23秒 | 映画

 こないだの日曜日は映画館で「バルトの楽園」を見た。第一次世界大戦で日本に敗れたドイツ軍の捕虜が、徳島の収容所において寛大な扱いを受け、地元民との文化交流も果たした、という実話を元にした映画だ。詳しい内容は、メルマガの「国際派日本人養成講座」にも載っている。
 いかにも美談であるが、実際に第九が日本で初めて演奏されたのも、この板東収容所においてらしいので、やはり本当のことなのだろう。本当に感謝の心がなければ、こんな大がかりな演奏までしないものだ。現在も日本人が愛してやまない第九が日本で初めて演奏された経緯を知って、私は少し感動した。第九は私も好きで、学生時代に合唱団に属していたころ、実際に歌ったこともある。
 この映画はドイツでも公開されており、日本とドイツの友情に資するもの、と考えたいところであるが、どうも私はそこまで素直に思えない。日本側から見れば美談だが、ドイツ人から見れば、いかに寛大に扱われたとはいえ捕虜だったのだから、見てあんまり気分が良いものではないだろう。ワールドカップで沸く今のドイツにおいて、第一次世界大戦の頃の話など関心も持たれないだろうし。