Willow's Island

since 2005

RAINBOW 二舎六房の七人

2006年02月18日 23時57分28秒 | 

 貸本屋で借りてきた「RAINBOW 二舎六房の七人」を3巻まで読んだ。昭和30年、特別少年院に収監された7人の少年たちの友情や苦闘を描いた漫画だ。「塀の中の懲りない面々」で有名な安部譲二が原作だそうだ。平成17年度の小学館漫画賞を受賞している。
 これはすごい漫画だ。とにかく面白い。私の中では、久々に漫画作品としてヒット作である。面白いといっても、もちろん笑える面白さではなく、けっこう陰惨な表現も多い。原作者の安部譲二も昭和30年頃に少年院生活を体験しており、当時の日本の状況、貧しさ、特に底辺にいた者の地獄が赤裸々に語られている。私も読んでいて、何度か涙が出そうになった。
 2巻の巻末に書いてある安部譲二の言葉が強く印象に残っている。「今の豊かな日本からは、昭和30年の貧しくて惨めな日本なんて、とても想像できません。思い出したくもない非道い、酷すぎる時代でした。」とある。こういう視点は、同じ昭和30年代を描いたものであっても、「ALWAYS 三丁目の夕日とはまさに正反対だ。(^^)
 作品としては「三丁目の夕日」も同じぐらい好きなのだが、私の考え方としては「二舎六房の七人」に近い。私は「昔は良かった」式の考え方が大嫌いなのである。そんなこと言ってると、いつまでたっても前に進んで行かない。「今は豊かになったけど、心は・・・」とか「日本人は豊かさと引き替えに・・・」とかいう意見を頻繁に聞くが、そんなわけねえだろう、と私は思う。豊かになることの、何が悪い? 社会が豊かになることは、絶対的に正しい。これが私の信念だ。(^^)