Willow's Island

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ミュンヘン

2006年02月11日 23時58分12秒 | 映画

 今日は映画館でスピルバーグ監督のミュンヘンを見た。多くのイスラエル人選手が殺されたミュンヘン事件の後、イスラエル政府によって暗殺チームのリーダーとなることを命じられた主人公が、パレスチナのテログループ11人を一人ずつ殺していく、という物語である。約3時間も続く長い映画だが、けっこう興味深く見ることができた。70年代の世界各都市を見られたのも良かった。とはいえ扱っているテーマはかなり重いので、とても「楽しい」と言えるものではないが。ユダヤ人であるスピルバーグが作ったんだから、イスラエルの視点のみでパレスチナ側を悪者に見立てたのだろう、と思っていたが、そう単純な映画ではなさそうである。この映画において、イスラエル政府は決して善玉ではない。イスラエルだけでなく、パレスチナも、アメリカも、ソ連も、憎悪と報復の連鎖にとらわれているに過ぎないのだ。中東問題、テロ問題を未だに解決できないでいる国際社会への皮肉、とも受け取れる。もちろん、このような重いテーマだけがこの映画の全てではなく、スパイアクションものとしても一流であり、娯楽性も十分にあると感じた。