Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

海峡の光 辻 仁成(新潮社)

2021-06-29 15:45:26 | 読書

突然、辻仁成が好きになって彼の芥川賞を受賞した”海峡の光”を読んだ。やはり若い頃から拘りの強いユニークな人だったことが本の内容から解る。中学生の時成績優秀で、クールでいつも人望も厚く、いじめられると助け親切な優しい生徒が何処かに気味悪さを思っていた。誰もいない所では転んだお年寄りを助けず知らん顔したり、たくさんの野良猫に餌を与えると一匹だけに与えず、弱っていく様子を楽しんでいるらしいなど、まるでヒッチコックのミステリーの如く描いている。その彼が殺人事件を起こし、同級生だった書き手私は少年刑務所の職員として彼に巡り合う。彼は模範囚だったが気味悪さはまだ残っていて昔のままだった。人の心の中を深く探り分析する。しかし明るくてポジティブな辻仁成、拘りの中を突き進んでいく彼、変わっているけれど、私は好きになった。お料理の本もレシピより書かれている優しく穏やかなエッセイに魅力を感じた。


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