Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

上野景文 駐ヴァチカン大使

2009-02-28 08:50:16 | 日記
先日”時の人”と関わった?ばかりの駐ヴァチカン大使が三島遺伝学研究所に来られ、ついでに、「ヴァチカン・欧州から日本を考える」をお話下さった。
国名は二つあり、V.C.S(VATICAN CITY STATE)ヴァチカン市国とHOLY SEE聖座と呼ばれています。一般的にはヴァチカン市国ですが、それはたった80年前から言われ始めたとの事。テクニカル等の問題での参加の時はヴァチカン市国で、文明文化論等の参加はHOLY SEEと言い、教皇様たちはHOLY SEEと言っているそうです。HOLY SEEには2000年の歴史があるわけです。
法王庁は世俗的な物(宝物の管理など)と宗教的な物との二重性の国家であり、プレ・モダンの国家。第一に民主主義ではなく、法皇の独裁であり宗教と政治は一致、勿論宗教が優先する。このような国はヴァチカンとイランの二国しかないと言う事。そして又、非ネーション国家。改めて考えてみると、非ネーションが国家と認められているのも不思議な感じ。人口は700人、すべて各国からやって来た司教だそうです。
ヴァチカン市国はSmallest Big Countryと言われているようにモラル・オウソリティーは法皇にあるので発言はすぐに世界中に発信される。これは本当に良い事です。北朝鮮の非核化、アフガニスタンやイラン問題、法皇がもっとメッセージを発しても良いのではと思うが、しかし難しいのでしょう。
日本は文明的にはヨーロッパに近いからもっとヨーロッパに眼を向けて欲しいと大使は言っていました。政治だけでなく、文化論にも大変造詣の深い大使です。カトリック、メソジスト、イスラムなど哲学的な話も解り易く頭の中が整理できた。
タイムリーな事に私は3月の中旬、ヴァチカンへ行きます。コンクラーヴェの煙突はシスティーナ礼拝堂で観られるとインフォメーションを頂いた。


わが夫、チェ・ゲバラ

2009-02-22 09:33:59 | 日記
チェ・ゲバラの夫人アレイダ・マルチの「わが夫、チェ・ゲバラ」愛と革命の追憶(朝日新聞出版)を読んだ。
映画二部作を観てある人が彼のロマンチシズムが描かれていないと言っていたが、私もそう思った。しかし、この本を読んで解った。革命家として「祖国か死か」という強烈な思いを最後まで持ち続けながら、ゲリラ戦を戦いながらも、何時も学習、勉強と見識を高める事に努力を惜しまず、アレイダにも本を読むように諭し、己を高めなさい、歴史を学びなさいと言っている。弱者に優しい彼は勿論、家族にも思いは深かった。アレイダへの手紙には家族への愛が溢れている。また、かのカストロが慈愛に満ちた思いやりの深い人とも書かれていた。一人の人間として対じした時、カストロにもこうした面があったのだと思った。
飢餓に苦しむゲリラにたった一つしか飴がなかったら「一つの飴を石で割り全員で分かち合う」とゲバラは言っている。これがゲバラのモラルであり、価値観であり、生きざまと訳者神奈川大学の後藤先生は言っています。彼の”行動”には疑問もあるがこの価値観、モラルは尊いと思うし私も大切にしたい。
ゲバラの革命への原点、映画「モーターサイクル・ダイアリー」も観た。旅が終わり、帰り道「僕の行く道は決まった」と自分に言い聞かせるように呟く。しかし…39歳で終わってしまった。本当に残念に思う。
1959年、来日し広島を訪れアレイダに手紙を出しています。「平和のため断固として闘うにはここを訪れるのがよいと思います」

手作りジャム

2009-02-12 16:51:17 | 日記
6種類ものジャムが集まりました。みなお友達の自家製です。勿論、真ん中に鎮座ましますのが私のジャンボレモン、モンデローザのジャムです。少々香りが不足なので富士ビレッジ産レモンを加えた。
ダークに見えるのは梅酒の梅ジャム、製本教室のOさん作。何時も残る梅の実、Good idea!美味しい。時計回りで次がMさんの庭の柚子ジャム。柚の香りがやはりいい、煮込んでないのでとても自然に近い。これも良いかも…。次がこれもOさんの熱海産橙のジャム、何とも言えない懐かしいような香り。色もきれいです。味も満点。お勧めです。
次はKさんのりんごとモンデローザの中身のジャム。丁寧に裏ごしをしてある。品の良い滑らかな、リッチな感じ。モンデローザの酸っぱさがりんごを引き立てている。最後はやはりKさんの柿のジャム。珍しいでしょ?立派に柿の味がします。
でもジャムは少々酸味がないと…レモンを加えると良かったかしら。
手作りジャム、毎朝優雅に楽しんでいます。柑橘類は一にも二にも苦味取りの茹でこぼしが大切ですよね。

小林 古径

2009-02-09 16:35:22 | 日記
日本画家 小林古径展を観た。
”芥子”や”琴”などで知られ「線の画家」と言われるように描線がとてもきれいで生き生きしている。数冊の写生帳を観たが緻密で美しく、静謐な中にも動が感じられ今にも飛び出しそう。大作も良いがこの写生帳がいいと思った。
伊豆市所蔵の立派なものが何点かあった。
古径は新潟県上越市で生まれ上京後、梶田半古の元、安田靫彦や今村紫紅と出会い研鑽を重ね伊豆修善寺に度々訪れたとの事。その時、新井旅館と親交があり作品を多くこの地に残したそう。
彼の娘を描いた写真の”琴”は凛とした空気が伝わり上品な顔は勿論、着物の線、髪の毛など描線が素晴らしい。大正11年39歳の時、イタリアを訪れ描いた”洗濯場その1”は中世の都市シエナの公衆洗濯場の風景、日本画の柔らかな上品な色、融けてしまいそうな優しい雰囲気の絵。彼の眼で見ると異国もこう描ける。

チェ 39歳別れの手紙

2009-02-04 16:12:48 | 日記
美味しい食事をしていたら途中でお皿を下げられてしまった感じで…早速、後編を観て来た。
ボリビアでのゲリラ戦、死傷者は次々に出る。士気が弱まり、食料不足やゲバラ自身の喘息の悪化など…坂道を転がるように敗戦に向かう。
志は高く崇高に見えた前編を思うと彼の無念さ…、虚しさが胸を覆い悲しかった。その中で「革命家は勝利か死、人間としては余分な物は剥ぎ取られ純粋になる」とヒューヒュー鳴る息の下でゲバラは言う。この言葉に救われた。世の中を憂い良くして行こうとするその信念は死なない。
ソダーバーグ監督が意としたゲバラの実像が解ったように思う。
ゲバラを演じたベニチオ・デル・トロは2008年カンヌ映画祭主演男優賞を受賞したそう。弱者と向き合う彼の眼は優しく、優しくて素敵でした。