Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

お月見の一皿

2012-09-30 15:46:35 | お料理

今日は十五夜。四季折々の風情をめでる日本は何と優雅なのでしょう…といつも嬉しく思う。アウンサン・スーチー女史の”日本人は剛と柔の両面性を合わせ持っている”と言った言葉を思い出す。苦難にはひたすら耐え忍び立ち上がる強さがあり、片や四季の移ろいにも心を寄せ詩や歌を詠む。最近の領土問題を見聞きするとき、日本人でよかったとつくづく思う中秋の名月の夜です。…でなんでメインが煮豚なのか?豚肩ロースが特売だったから。(優雅でない一皿。栗と煮たので鶏肉の方がよかったんですけど)今夜は台風が上陸するやも?中秋の名月も風雨と共に去りぬか…。


三嶋暦 平成25年版

2012-09-25 17:44:20 | 日記

当市には貞亨の改暦(1685年)以前の旧暦を独自に暦纂編集し、版行してきた暦師河合家があります。起源は鎌倉時代と言われているが定かではないと言う。河合家は幕末の建築物で版木と共に市の文化財として、現在はボランティアの”三嶋暦の会”が中心になり紹介しています。以前暦の会のお手伝いをした事があり、その後毎年三嶋暦現代版を頂く。小さい暦は旅をする時の携帯用。織田信長が自然の移ろいを基本に編まれていたこの三嶋暦を気に入り、取り入れていたと言う話もあります(加藤廣著「信長の棺」)。また陶磁器の”三嶋手”も三嶋暦の細かい印刷を真似て図案化したと伝えられています。暦は月日が過ぎれば捨ててしまうもの。残っているものは少なく唐紙の裏などから出てくると言うから面白い。現在確認されている最古(今から550年前)の三嶋暦は栃木県の足利学校にあるそうですが、重要文化財の「周易写本」(易学の教科書?)の表紙の裏張りに使用されていると言うのですから…。折しも改暦のリーダー渋川春海の労苦を描いた映画「天地明察」が話題を呼んでいます。


夜と霧  ヴィクトール・E・フランクル  (みすず書房)

2012-09-21 11:33:50 | 日記

今さら、と言われそうだがやっと開いた。若い時は何か恐くて手に取れなかった。夜陰に乗じ、霧にまぎれて人々が何処ともなく連れ去られ消え去った歴史的事実、原題「心理学者、強制収容所を体験する」は到底言語では言い表す事の出来ない悲惨な収容所生活。身包み剥がされ(体中の毛も)今や裸の身体以外何も所有していないが、心理学者は好奇心と内なる解析で人間には”何でも可能だ”と言うことを知り、もはや何も残されていなくても心の奥底で愛する人の面影に思いをこらせば、ほんの一時にせよ至福の境地になれると言う。自由を奪われ特異な環境の下で、”いかに振舞うかと言う人間としての最後の自由”だけは誰にも奪えない…と勇気付けられる解析が心に深く沁みた。如何なる境地に陥っても尊厳を持って生きていきたいとあらためて強く思う。そして二度とこの様な悲劇を繰り返してはならない。ポーランドは文化的にも魅力のある地ですが、当然アウシュビッツを見なければならない事を考えると卑怯かもしれないが、訪れる勇気が私にはない。


ジャケット

2012-09-18 14:51:21 | 日記

少々手の込んだジャケット作りに夢中になりやっと出来上がりました。上等の麻袋のような素材です。横浜のスワニーのオリジナルデザイン。見た瞬間、素敵ですぐ材料を買ってしまった。ところが、襟の周辺が難しくて大変(襟は別仕立てではなく、身頃からの延長)。しかし神様の采配、友達のOさんが一緒のデザインを買って私の先生となりました。彼女の洋裁の腕前は素晴らしく、とても綺麗に作ります。私の出来上がりは劣るけれど、袖口は娘からのリバティーの布地をアクセントとしました。


新ビルマからの手紙 アウンサン・スーチー(毎日新聞社)

2012-09-16 08:49:18 | 日記

映画「The Lady」の感動が薄れない今、”新ビルマからの手紙”を読んだ。毎日新聞の外信部の努力で1997,98年から2011年までアウンサン・スーチーからのエッセイを新聞紙上へ載せたものをまとめた本です。自宅軟禁を解かれたと言っても当局の圧力、監視は厳しく映画の画面が思い出され、ここははっきり書けない…と思われる記述が多々あった。祖国の民主化に身をささげた彼女の胸の内が痛いほど良くわかり切ない。「日本人の強さには剛と柔の両面性があり、逆境に立ち向かう際にみせる強靭な精神力だけでなく、繊細な美意識を併せ持つことを知っている。ビルマには他国へ救援物資を送る余裕がないので、詩を送りビルマ人の精神を示します。」とのメッセージを東日本大震災の被害者に宛てたそうです。訳した記者たちは涙したと書いている。彼女の熾烈な闘いが実を結ばんことを!

 


ドイツ冬の旅記

2012-09-13 17:46:48 | 趣味

今年の2月初旬、最も寒い時ドイツへ行ってきました。その旅行記がやっと出来上がりました。春先少々体調を崩してしまい遅くなってしまった。今、金文字でタイトルを書く事に凝っているので、それが映えるよう黒地の表紙にしました。ワグナーゆかりのバイロイトや-20℃のノイシュヴァンシュタイン、美しい小さな村々、ロマンティックな冬の旅が甦って来ます。(シューベルトの”冬の旅”は我が国ではロマンティックに解釈されているが、徒弟として働いていた若者が冬は暖房費がかさむので解雇され放浪の旅をする…これが真実とN大の先生の話が面白かった事を思い出す。)


藤原正彦、美子のぶらり歴史散歩(文藝春秋)

2012-09-11 14:04:50 | 日記

図書館で見つけ「ヒコベエ」からこれに捉まった。夫人と共に夫妻の生活した近辺の歴史を訪ねる。まず表紙の写真を見てあのヒコベエ、なんと足が長くてスタイルがいいの!と見惚れてしまった。文人墨客の旧居跡の多い番町や護国寺界隈、明治期の西洋文明を感じる本郷の台地など夫妻の漫談をしながらも知的な楽しい散歩です。マンションやビルに埋もれて探す事が難しい名所旧跡、この本をガイドに訪ねたら楽しいかも…。でも「主人公たちと同じ空気をすって見たくなる」と言う思いは無理でしょうねえ。


フィンランドのくらしとデザイン展

2012-09-08 16:09:35 | 日記

映画を観たあと、近くの静岡市美術館の”フィンランドのくらしとデザイン展”を観た。2009年長女一家とスウェーデンとデンマークを訪ねGood design でSimple is bestの家具や食器などをたくさん見て来たので北欧には興味がある。しかし日本ではフィンランドと言えば、はやはり”ムーミン”なのですね。展示してある家具を見ても貧相でがっかりした。しかし「カレワラ」と言う独特な説話や伝承を集めた”民族叙事詩”があり、フィンランドの文化に多大な影響を与えていた事は知らなかった。”ムーミン”も「カレワラ」の雰囲気からトーヴェ・ヤンソンが生み出したトロール(妖精)の話と聞けば解る気がする。


The Lady  アウンサン・スーチー

2012-09-06 20:13:33 | 日記

ビルマ民主化のため壮絶な闘いに挑んだアウンサン・スーチーの半生を描いた映画「The Lady」を観た。「ビルマ建国の父」の後を継ぎ、民主化のリーダーとしての固い意志が切なくて胸が痛くなり涙してしまった。長い孤独な軟禁生活はイギリスに住む家族が支え、夫のオックスフォード大学教授マイケル・アリスは「ビルマには希望がある。私はスーに添って行きたい」とアウンサン・スーチーのノーベル平和賞受賞には彼が奔走し、それは確実に彼女を守る事になった。深い愛と強い絆が彼女を支えていたのです。しかし夫が病に倒れ亡くなる時、彼女はビルマを離れることが出来なかった。悲しい事ばかり…しかしその凛とした姿は本当に美しい。この「The Lady」の収益の一部はマイケル・アリス記念基金(彼が生前設立したイギリスでチベット、ヒマラヤ学を学ぶ学生を支援する)とプロスペクトビルマ(ビルマの教育を支援する)に寄付されると言うことを知った。アウンサン・スーチーが今年6月ノーベル賞の受賞演説を21年遅れて、ノルウェーのオスロで行ったニュースを聴いて、そのクイーンズ・イングリッシュの美しさに驚いた。夫のマイケル・アリスは心の深い広い素晴らしいイギリス人、53歳の若い死が惜しまれます。