アルハンブラ宮殿から眺めたグラナダ最古の城塞都市、アルバイシン。白壁の家並、青い空、かつてレコンキスタによりグラナダが陥落した時、アラブ人の抵抗の砦となり、この白壁と石畳が流血で染められたと言う悲惨な歴史は、想像も出来ないほど綺麗な穏やかな風景だった。
イスラム教では浴場は非常に大切なものだそうです。モスクに次いで重要なものであったと言う。通俗な想像ではここでハーレムの世界が、日夜繰り広げられたように思ってしまうが、浴場はお清めの場所で食事の前後、汚れたものに触れた時、排泄の後、コーランを手にする前など身体を清めたと言う。そして浴場従事者、身体を揉み洗う召使の技法は高く評価され、社会的にも重要な地位を占めていたと言う事です。浴場の見学は出来なかったがサウナの天井が外から見えた。円いガラスは採光の窓で青く見えるが赤色ガラスだったらしい。
三日前にはグラナダは雪が降ったそうで、とても寒かった。彼方のシエラネバタ山脈も雪を被り静謐な風景だった。スペイン・イスラム文化の輝かしいモニュメント、赤き丘、サピカの丘に建つアルハンブラ宮殿。14世紀、15世紀とに渡って200年かかり築城、増築された。外観は華やかではないが、内部は細密なアラベスク模様の彫刻で溢れ、幻想の千夜一夜の世界に引き込まれる。「神はひとりアラーの神のみ」と書かれたフレーズを模様に刻んだ壁面も見事です。この幻想の世界もレコンキスタにより幕を閉じる。18世紀の王位継承やナポレオン戦争で荒れ果て、現在も修復中。スペインのイスラム教文化とキリスト教文化の混合、とても面白い。
ドン・キホーテの旅籠と、言われる「クルエトラピセ」と言うレストランでランチを取った。16Cに作られ400年余り続いている旅籠。ドン・キホーテが城と間違えたと本には書かれているそうです。野菜のトマト煮、チキン、揚げ菓子、これがドン・キホーテ定食。異国でも定食はある…。コース料理なんですね。
ドン・キホーテで有名な白い風車があるカンボ・デ・クリプターナに寄った。私はこうした物語で作られたような観光地は好きでない。史実がないといやなのです。「ラ・マンチャの男」を長年舞台で演じた松本幸四郎はここを訪れて涙したそうですが…。
壁の騙しアートが面白い。スペインぽくて…。
壁の騙しアートが面白い。スペインぽくて…。
バレンシアで大きな市場に寄った。シードレス薩摩、可愛い温州みかんがありました。オレンジ色が濃くコロコロしていて、味も濃く美味しい。この生ハムの行列、見事でしょ?オリーブのガーリック漬けと山羊のチーズを買ってみた。
公園には門衛館とガウディの家の二軒がある。これはガウディの家です。至ってノーマル。今はガウディ博物館。ガウディはアメリカの実業家からホテルの建築を依頼され、設計平面図は出来ていたと言う事です。事故に遭わなかったら、どんなホテルが出来ていたか?残念ですね。平面図は残っているそうです。
今は事務所になっている門衛館も面白い。本当はガウディは住宅地として構想を練ったらしい。しかし資金面で途中変更になったと言う。お伽の国の様な公園、これも良い!ゆっくり散策したかった。公園内で路上ミュージシャンの”フラメンコ”と言うCDを買った。プロと違う激さないギターの演奏に癒される。現地ガイドさんもお奨めでした。