Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

武士の家計簿

2010-11-29 15:41:30 | 日記

磯田道史著「武士の家計簿」新潮新書を読んだ。日本社会経済史が専門の著者が神田の古書店で「金沢藩士猪山家文書」を見つけ、この中に天保13年から明治12年まで、約37年間の加賀百万石の算盤係一家の”武士の家計簿”を見い出した。猪山家は当時、俸禄の割りに交際費がかさみ、(江戸時代の武士は親戚同士の付き合いが濃密だった)多額の借財を抱え家計がまわらなくなった。借金整理のため所持品を売却する。書物や衣類、食器の中にはやかんなどもあり、そのリストが細密に記されている。子供の成長の祝いには赤飯と大鯛が付き物。家計簿には「絵鯛」とあるそうです。絵に描いた鯛で済ませたのでしょう。温かい家族の様子が伺えます。俸禄支給日には家族全員にお小遣いも分配され、女性もしっかり貰っているそうです。江戸時代の武家女性が自立した財産権を持っていたと言うのです。主人が「妻より借り入れ」という記述もみられ、夫婦であっても別会計…現代と変わらない営み、何かほほ笑ましい。この話が映画化されたのです。映画も観たいと思う。


「金閣寺の燃やし方」

2010-11-24 17:37:21 | 日記

三島由紀夫没後40年、「負け犬の遠吠え」の著者酒井順子も講談社から出しました。恐ろしいタイトル、「金閣寺の燃やし方」。彼女らしい奇抜なタイトルと言えばそうですが…。三島由紀夫の「金閣寺」と水上勉の「金閣炎上」の比較です。三島の「金閣寺」の主人公、溝口は美しい金閣寺に魅せられ、自分の手で抹殺すると言う哲学的な解釈が全面に出ています。それを読んだ水上勉は自分も放火犯、林養賢と同じ境遇にあった修行時代、禅寺の諸々の矛盾を感じていた。林養賢が何故放火したか?調べに調べて、彼を擁護したわけではないけれど、温かい眼で書き上げた。これはノンフィクションだと私も確信していました。酒井順子らしい茶化した言葉遣いも出てきていやだったが、概ね同じ見方であったと思った。


熱海新聞

2010-11-19 17:50:02 | 日記
先日開かれた、熱海図書館の製本教室作品展示会に熱海新聞の女性記者が、取材に訪れました。半世紀弱前、私の結婚前の夫からの手紙を製本したものに眼に留めて、それを記事にしてくださった。携帯電話はなく、固定電話も儘ならない時代、転勤してしまった彼からは2年間65通の手紙が届いたのです。それをずっと保管しておいた。その後、人生においてこれ以上の悲しみはない…事に出会い、その時知人に紹介された製本教室、手仕事に癒され、製本にのめり込んだ。手紙だからこうして残っている。携帯やメール、が当たり前の今ではあり得ない。…と言う記事を温かい言葉で、私の思いのすべてを書いてくださった。涙が出て、涙が出て止まらなかった。

ボージョレ・ヌボー 2010

2010-11-17 18:42:48 | 日記

今年も飲む事が出来た。近くの問屋さんで三時頃手に入れました。プシャール・エイネ・ボージョレ・ヴィラージュ・ヌボー。プシャール・エイネは250年の伝統のあるブルゴーニュの中心地ボースで最も由緒あるワイナリーだそうです。紫がかった綺麗なルビー色、スクリューキャップを開けるとフルーティな爽やかな香りが広がった。ヌボーにしては力強い酷のあるかなり深い味です。爽やかな味が好きなので少々重い感じ。お皿は白トリュフのオイル入りプレーン・オムレツ、デイレスフォードのトマトソースと無花果の生ハム添えです。ボージョレ・ヌボーのテイストはその年の自然環境に左右されると言われていますが、本当に納得できる。毎年違う。一度に飲めないのでスクリューキャップは味気ないが都合がいい。しかし、イタリアのコルクの産地では困っているとテレビで報じていました。

 


ロシアン、フォークコンサート

2010-11-16 16:59:47 | 日記
学生の発表や講師のお話の後、ロシア民謡のプチ・コンサートがあった。歌手のヴィクトリア・チェレバノワさんクラシックの発声で力強い歌でした。”マースリャ二ツァ”という民謡は”ボスト”というキリスト復活祭前の七週間は、肉や牛乳、卵などの動物性の物を口にしない掟のお祭りを歌った歌。長い冬を終えて春を迎える、喜びに満ちた歌です。ヨーロッパにある謝肉祭と同じで、キリスト教においては形は違っても”春待ち”は重要な催しであったと思う。バラライカ奏者のラリーサ・ゾロトワさん、バラライカも哀愁を帯びて素敵な音色です。弦が三本で難しくなさそう。ロシアで買ってくれば良かったと思う。

人として…

2010-11-16 16:39:06 | 日記
N大のYゼミナール主催、松山ロシア人墓地保存活動のためのチャリティ企画に参加した。学生が真面目に一生懸命で感心した。日露戦争の舞台裏にあった日露の国際交流を学んでいる学生の発表があり、松山にロシア人捕虜収容所があったことや、ロシアのメドヴェーチ村の日本人捕虜収容所では捕虜に対して人道的な配慮がなされ、市民との交流さえあったと言う事…全く知らなかった。伊豆半島戸田のロシア船ディアナ号遭難では村民が大いに助けた事は良く知られています。学生はロシア人墓地の清掃活動に参加したり、ロシアにおいて逆境下にある人々を支援したいと活動をしています。こうして日露関係は友交的で草の根の博愛があるのに何故メドベージェフは北方領土へ足を踏み入れたのでしょう?

高野山のケーブルカー

2010-11-16 15:53:26 | 旅行

天空の地高野山と現世を結ぶケーブルカーです。弘法太師空海の懐に抱かれる心地よさが、みなぎっている高野山の空間は穏やかで別天地です。外国人の観光客も多く、英語、フランス語が頭の上を飛び交っていました。京都のように華やかに観光地化されている所と違い、これこそが想像していた日本と納得する外国人が多いそうです。世界遺産に登録された後、2009年にミシュラン・グリーンガイド・ジャパンで三ツ星を獲得したということもあるのでしょう。宿坊無量光院には十数年修行を続けるスイス人僧侶がいて5ヶ国語を駆使して応対していると言う事です。

 


高野山の宿坊 三寶院

2010-11-15 21:13:46 | 旅行

ここも街の中心、大通りにある宿坊。弘法太師の母親ゆかりの歴史のある宿坊です。中秋の名月には庭でコンサートなども開かれ声明を堪能する事も出来る。自然の残る庭も必見とあります。謡曲に「紅葉三寶院」と詠われている紅葉が見事だそうです。今回声明に出会って興味を持った。2400年も前にインドには既に声明の原型があったらしい。経文を読むサンスクリット語の発音は抑揚があり独特なリズムで、音楽的な原語であると言う特色が声明という仏教音楽を生んだそうです。インドから中国へ渡り、進展し奈良時代、日本に入って来た。高野山の僧は修行中に声明を修得する。現在では「高野山声明の会」があり山内の儀式だけでなくコンサートやイベントにも参加しているそうです。

 


高野山の胡麻豆腐

2010-11-15 16:22:33 | 旅行
翌日、胡麻豆腐のお店を訪ねました。お土産には真空パックが買えますが、生をお店で食べてみました。とろりとしているが、弾力があり、混ぜ物はないというだけあって、胡麻の風味が優しく広がります。スゥイーツ風に和三盆をかけた物も食べて見ましたが、少しのお醤油とわさびが一番です。帰宅後、真空パックの物も食べましたが、生と全く変わらない。嬉しい事です。これが本当の胡麻豆腐。