身はもうイスラエルではなくなったが、心はまだイスラエル。講談社選書メチエの”死海文書、甦る古代ユダヤ教”を読んだ。身近に感じ興味を持った時知っておかないと、こうした特殊なものは流れて行ってしまう。ベドウィンの少年がクムランで壷に入った巻物を見つけた事から始まり、羊皮紙に書かれていたので、靴屋が使えるのではと買い受けて数年後、古物商からヘブライ大学、アメリカ・オリエント研究所などを経て、世界が驚愕するほどの2000年前の写本である事が明らかになった。聖書の中には全く言及されていなかったキリスト教と酷似しているユダヤ教の一派エッセネ派の詳細が書かれていたのです。とても戒律の厳しい教団であったらしい。難しい学問的なことは解らないが、文書が世に出て行く過程はミステりーを読んでいるようで面白かった。靴屋は結局イスラエル国家に15万5000$で売ったそうです。折角イスラエルに行きながら、その文書の実物を見て来なかったのですから、何と言うことでしょう…?イスラエル博物館の死海写本館で観る事が出来たのに…。