Mrs.Uponwaterのブログ

日記です♪

薬石としての本たち 南木佳士(文藝春秋)

2018-04-18 16:29:33 | 日記
著者はお医者さん。寡作なので概ね読んでいるが「ダイヤモンドダスト」や「トラや」、「阿弥陀堂だより」など優しいタッチで書いているので読後は心がとても安らぐ。彼が医者の道に進んだのは何か技術を身につけて糊口を凌げる職を…と考えたからだそうです。とても繊細でご自分の身の丈をも心得ているお医者さん(だから、うつ病になどなる)、うつ病と共存し患者の気持も良く解る。先生の薬石となった本は難しい専門書もあり「村で病気とたたかう」若月俊一著、「エピクロス 説教と手紙」(岩波文庫)、「流れとよどみ」大森荘蔵著、『マンネリズムのすすめ」丘沢静也著、「脳を鍛えるには運動しかない」ジョンJ・レイティ著など。これらの本が医者としての背骨を作ったと言っています。
同じ動作の繰り返しの運動は脳の血流を増しそれによって”脳由来神経栄養因子”などの物質が創られ、それはあたかも植物の肥料のごとき働きをし新たな神経回路を形成するのだそうです。運動はしなければ…ね。