展示会、講演会は熱海、起雲閣で開催された。展示室の一角に講演会場をつくりパネルや図書、家具などの展示が狭い部屋を上手に使って見学し易く、ブルーノ・タウトの名に恥じないレイアウトであったと思う。タウトに関するこれらの本はボロボロであった物をYさんが製本し直したものです。ケースも作り立派です。
製本教室のYさんは旧日向邸保存会の会員として熱心に活動しています。ブルーノ・タウトは桂離宮を見て「泣きたくなるほど美しい」といい、少なからず影響を受けたらしい。これはYさんが桂離宮画帖を作り巻物として仕上げました。巻物は数枚を貼り合せて作るのでとても難しいが器用なYさんらしくきちんと美しく出来ています。
熱海市にブルーノ・タウトの建築として日本に唯一残る旧日向邸があります。日独交流150周年を記念して保存会の会員である駿河台大学の太田隆士教授が「タウトと旧日向邸ー四つの謎」と題して講演した。世間で言うブルーノ・タウトはクウェスチョンが多く、まずタウトはユダヤ人ではない。ドイツでの迫害を逃れて日本へやって来たなどと言う事は疑問…と先生は言っています。学者は正論を求める時、まず疑いを抱き重箱の隅を突くようにして洗い出していくのだとお話を聞いてつくづく思った。保存会会長の挨拶がとても面白くこうした話を聴きたいなあ。次回のパネル・ディスカッション、期待します。