ツトムさん家の写真日記。

写真いっぱいの楽しい日記です。(全面表示でご覧下さい)

第755回 鹿島神宮 下。

2013-01-22 12:00:00 | 旅行

2012 11 22(木)


前回の御手洗池から奥宮に戻り、分岐辻の石標碑を右奥に進みます。

ここ奥宮を訪れた小林一茶は「大なへ(大地震)に びくともせぬや 松の花」と詠んでいます。 

鹿島の森木立の中に石碑が2個、大きな石碑は武甕槌大神(たけみかづちおおかみ)が大ナマズの頭を踏み押さえ、地震防止をしている図。 
 

江戸時代も大地震が多発したので鹿島神宮の要石にまつわる「鯰絵」が大流行しました。
   

消防防災博物館の「世相をあらわす地震鯰絵」が面白い。
http://www.bousaihaku.com/cgi-bin/hp/index.cgi?ac1=R204&ac2=R20407&ac3=1262&Page=hpd_view

昔の言い伝えでは、地震を起こすのは“龍”又は“大蛇”で、後世(江戸初期)になって“鯰”(ナマズ)に替わったそうです。

森の奥に進むと“要石”や道標・句碑などのある神域があります。
 
江戸時代の文化14年5月26日鹿島へ詣でた小林一茶が詠んだ俳句「大地震(おおなえ)に びくともせぬや 松の花」

これからは地震が起きないように要石を礼拝します。石柵に囲まれた神域の中央に“要石”の上部がわずかに顔を覗かせていました。
香取神宮の要石が形だったのに対し、こちらの要石の頂きは形、お賽銭硬貨が少しは載り易いと思います。
  
地表に出ているのは直径30cmほど、この下地中深く岩盤となって奥州まで続いているそうです。
水戸光圀公が家臣に命じて七日七夜掘らせても掘り出すことが出来なかったと伝えられている要石。

「ゆるぐとも よもやぬけじの 要石 鹿島の神の あらむかぎりは」。

古来幾多の人々が訪れ祈った“要石”、周囲には石碑・句碑が散在しています。
左は「太々神楽」の道標、常夜灯だったのでしょうか? 灯明を入れる火袋の部分が無く、笠が中台に接しています。
  
中画像は松尾芭蕉の「枯枝に 鴉(カラス)のとまりけり 穐(あき 秋)の暮れ」句碑。
右は明治27年3月に奉納された孝阿が詠んだ「あら連ふ里 かしまの森能(の) 要石 動かぬ国乃 志須め(鎮め)なる奈理」の歌碑。(草書体漢字と平仮名で刻まれていますので不正確かも・・?)

奥宮・御手洗・要石を拝見した後、本宮社殿の相向かいにある「宝物館」を見物。


館内には骨董好きが喜びそうな国宝級の“お宝”が沢山陳列されていました。
鎧兜・刀剣などに混じって「悪路王の首」なる奇怪な面、平安時代に坂上田村麻呂が奥州征伐で殺害した悪路王の首を寛文年間に木製で復元した面で、寛文4年(1664年)に奥州の藤原満清が奉納したそうです。
  

刀剣コーナーでは国宝の「金銅黒漆塗平文太刀」(俗称・直刀)が大切に保存されています。
長さ2.25mの直刀で奈良時代の製作と云われ、鉄製では最古最大の刀剣で、鹿島神宮の神剣で「韴霊剣」(ふつのみたまのつるぎ)と呼ばれています。
 
全長は3mもあり、長すぎて実戦用ではありませんから、儀式用の刀だったと思われます。

神宮のお宝を拝見し、直ぐ横の御札授与所に立ち寄り各種縁起物など品定め。


絵馬付き鏑矢は破魔矢、「お喰い初めの石」なる不思議な小石もありました。                       
「お喰い初めの石」は生後百日に一生食べ物に困らないようにと願う儀式「お喰い初め」で歯が丈夫になるように祝膳に添えられる霊石。
 
この石は先に訪ねた要石の霊力で清められています。

表参道を戻りながら左右の森に鎮座する摂社末社を参拝。
須賀社・熊野社・津東西社・祝詞社の四社と、その奥に坂戸神社・沼尾神社の遥拝所などあります。
 

倒壊した二の鳥居の近くには“銚場の稲荷様”と呼ばれ、商売繁盛で親しまれている稲荷大明神があります。
銚場とは直会(なおらい・宴席)をする場所のことで、昔はこの場所で祭典の後の直会を行っていたそうです。
  
二の鳥居の横に建つ石碑には「霰(あられ)降り 鹿島の神を祈りつつ 皇御軍(すめらみくさ)に われは来にしを」(万葉集・大舎人部千文)の歌。(霰降りは鹿島の枕詞 霰が降る音がかしましい事から)
「鹿島の神に武運を祈願して、防人として戦いに来たのです。」との意味かも・・・・。これが“鹿島立ち”の元になった歌だそうです。
東国からの防人は鹿島神宮に武運長久を祈願してから任地に赴きました。それを“鹿島立ち”といいます。

戦前戦中はこの短歌と“鹿島立ち”が戦意高揚のために利用喧伝されました。
鹿島神宮香取神宮も共に戦(いくさ)の神様を祭る社やしろ)だったのですね、共産党支那の征伐をお願い致しましょう・・・。

次回は鹿島神宮ゆかりの剣聖“塚原卜伝”。


2013 01 22(火)記。    前橋市       最高気温 12.7℃      最低気温 2.0℃


おまけコーナー。

2013年1月20日 午前2時42分頃、爆発音とともに関東の空を照らした流れ星。(埼玉県深谷市と寄居町の境付近)


ブルガリヤの野党党首演説中に暗殺未遂!(弾丸不発)
演説中の党首の頭に銃突き付ける、ブルガリア