6月18日(月) 早朝から観音様参詣です。
訪ねた先は埼玉県中央部の吉見町。
吉見町は“吉見の百穴”の古代住居跡遺跡で有名ですが、もう一つ名所があります。
古くから関東一円の信仰を集めている“安楽寺観音菩薩”です。(通称・吉見観音)
その安楽寺で年に一度の観音講祭りがあると言うので、早速出掛けてみました。
但し、この安楽寺・観音祭りは朝早くから始まる行事です。
なにしろ、朝早ければ早いほど功徳があるそうです。
“安楽寺の厄除け朝観音”と云われ、早くにお参りする人は夜中の0時に参詣するといいます。
真夜中に行っても撮影に苦労するだけですから、遅めの早朝の4時20分に岩殿山安楽寺(真言宗智山派 開山は大同元年[806年] 坂上田村麻呂の開山とも謂われる)へ到着。
まだ日の出前の薄ぼんやりとした中、駐車場(無料)から安楽寺へ・・・。
参道には石の板碑や地蔵像、大きな石造りの仁王様が立ち並んで安楽寺へ人々を誘います。(暗いので画像は帰路。)
参道左側にある有名な団子屋「どびんや」では団子を買い求める人の長い列!
並んで団子を購入しようとしたら、すでに本日販売分は終了でした。
そのまま夜店・露店の出ている参道を進み、安楽寺・仁王門下に到着。
27段の石階段を登って仁王様(木造寄せ木)とご対面! 「おう、朝早くからよく来たな~」って仁王が云ってました・・・。
仁王門をくぐると、そこの境内一面は団子の露店だらけ!
空きっ腹には醤油の焦げた匂いが染み渡ります。
境内に出ている露店は全て団子屋さん!!団子屋オンパレード!
噂には聞いていましたが、これほどの団子屋が出ているとは・・・。
威勢の良いお兄さんやオバサンが声を枯らしての売り込みです。
安楽寺に参詣に来た人達はこぞって朝団子を買っていました。
毎年来る人はお馴染みの店があるみたいですね。
朝早くから高速道をで駆けつけたので、美味しそうな団子の匂いが鼻腔をくすぐります。
読者の皆様も吉見町・安楽寺の「厄除け朝観音」のお団子を眼と心で味わって召し上がれ・・・。
「厄除け朝観音」にはナンでお団子が・・・?
江戸時代に疫病が大流行したとき、当時貴重だった米粉で作った団子を安楽寺の観音様に朝早くお供えしたところ、たちどころに疫病が治まったそうです。
その霊験を喜念して、毎年6月18日の早朝に観音詣でが行われています。
境内の団子は全体的に醤油が勝った塩っぱめの風味、昔からの伝統の味付けで「厄除け団子」と云います。
お団子は帰り道に買う事にして、まずは本堂・厄除け観音様のお参りです。
安楽寺・本堂正面の金色錦に覆われて安置されているのが、霊験あらたかな観音菩薩像です。(UP画像が観音様)
ロウソクの灯明だけの本堂は手振れ補正カメラでも厳しく、ブレブレShotになりました。
薄ぼんやりの観音様を拝んでから、本堂内部を眼を凝らして見物。
古いお寺ですから、貴重な絵馬が沢山奉納されています。
比較的綺麗な絵馬を選んで載せました。
薄暗い本堂の絵馬には説明が有りませんので悪しからず。
この安楽寺・本堂で一番の見所は、何と云っても左甚五郎作・「野荒らしの虎」。
本堂の欄間に嵌め込まれた透かし彫りの虎彫刻の傑作です。
夜な夜な田畑を荒らしまわった虎の後ろ足を、村人が槍で突き刺した様子がリアルに見てとれますね。この虎彫刻の足から血が滴り落ちてからは田畑を荒らす虎は出没しなくなったそうです。
暗い闇の中から飛び出してきそうな迫力で、見る人を圧倒します。
左甚五郎「野荒らしの虎」を見るだけでも、吉見の安楽寺へ行く価値は充分にあると思います。
社殿には彩色細密彫刻が他にも沢山あり、昔の風物が興味をそそります。
本堂の右奥には埼玉県で一番大きな三重塔(高さ23.4m 寛永年間の建築。)が見られます。(鎌倉時代の三重塔は48m 戦乱で焼失。)
朝の5時過ぎになって微かに太陽に光が、写真写りも良くなって・・・。
本堂の真裏には石垣を穿って中に石観音像を祀った場所があります。
岩殿山安楽寺に言い伝えのある「岩窟観音」でしょうか?
安楽寺境内には様ざまなお堂が建っています。
太子堂は聖徳太子を奉ったお堂でしょう。
内部には極彩色に彩られた厨子が一つだけ。
聖徳太子像はこの厨子の中・・・?
大小のお釈迦様銅像(吉見大仏)の先には、絵馬が沢山奉納されている山王社の建物。
巨大な石塔碑(多宝塔?)には驚きました。 但し、地震の時にはご用心!
境内の小高い場所にある薬師堂には朝陽が差し始めてきました。
安楽寺の「厄除け朝観音」の帰路、団子の名店「どびんや」では行列最後のお客様がまだ並んでいました。
到着した時は暗かった参道の仁王様もやっと姿を現して・・・。
古い三体の石地蔵が帰りの無事を祈っていました。
岩殿山安楽寺に4時20分頃参詣しましたが、朝観音詣でのピークは過ぎた後でした。
聞いたところ、一番の人出は朝2時~4時頃との事です。
写真撮影でなければ、早い時間帯に参詣して下さい。(早いほど霊験新たかです。)
月曜日で会社勤めがあるので、5時30分に安楽寺を後にして帰路へ・・・。
岩殿山安楽寺の詳細はここクリック。
2007 06 26(火)記。 前橋市 最高気温28℃。 蒸し暑し。