5月5日(子供の日) 春日部大凧会館の見学が終り、再び江戸川河川敷に戻ってきました。
凧揚げ会場の江戸川河川敷には既に大勢の見物客が日本一の大凧祭り(無形民俗文化財)に詰め掛け、大空に翻る様々な凧を見ていました。
“春日部大凧祭り”とは江戸時代の天保12年(1841年)に出羽国の僧・浄信が各地巡礼の折り、この地・宝珠花の小流寺に滞在し、人々に養蚕の豊凶占いとして凧揚げを教えた事に始まります。
何時しか繭の収穫時期から端午の節句に揚げる時期が移り、凧も次第に大きくなりました。明治初期には現在の半分の大きさに、明治中期に現在の大きさになったと云ます。災害や戦争などで中止された年もありましたが、宝珠花地区の祭りとして長く親しまれている伝統行事(国選無形文化財)です。
江戸川堤防の上では凧の説明をマイク片手の凧指導員が名調子で面白く・・・。
午前中は“全国凧揚げ大会”が開催され、珍しい凧・名物凧のオンパレードです。
江戸川堤防下には幾つもの大きな凧が並べられ出番を待っていました。
人間と比較すると大きさが良く判ります。
石川五右衛門みたいに人間が乗れそうな凧ですね。
でも、この凧たちは大凧ではありません。 中凧とでも云うのでしょうか?(係員は小凧と言ってました。小凧でも縦6m横4m、重量150kgです。)
小凧の「希望」と「華翔」が鮮やかに飛揚する雄姿です。
いよいよ午後2時から大凧揚げが開始される予定。
それにしても、凧の大きさには驚きの一言! 目を見張るものがあります。
大凧の骨組みに縦15本、横17本、斜め14本の割り竹が使われます。
組み立てられた竹の骨格に、半紙大の和紙1500枚が縦16m横12mの広さに貼られるのです。(糊しろ各1m)
完成した大凧は縦15m横11m、重量約800kgの巨大な凧。(約100畳)
この大凧を大凧文化保存会の「上若」「下若」の若衆約100人で江戸川堤防の上まで懸命に持ち上げます。見ているだけでスケールの大きさを実感できますよ。
50mの運搬作業だけで30分! 壊さない様に丁寧な人力作業、いやはやご苦労様なことです。
堤防の上では元関取・舞ノ海がNHKのレポーターをしていました。
凧揚げもスポーツの分野に入るのでしょうか? それとも芸能ニュース?
NHKでは5日夕方6時から第一で放送しますと言ってました。
地元のTV局(TV埼玉)の放送時間に合わせて、大凧揚げは一時間遅れの午後3時からとなりました。
待った甲斐あって大凧「環境」は無事に離陸!!
大凧の飛揚を固唾を呑んで見ていた大勢の人達から一斉に大拍手が沸き起こりました。 大感激の一瞬と言っても過言ではありません!
雲ひとつ無い青空に悠然と舞い上がる大凧には感無量です。
地上では百数十名の「上若・下若」若衆が大凧の綱を必死に引っ張って操作していました。
用意した揚げ綱の長さは1000mとの話です。
風速が4~5m程で大凧「環境」は100~150mの範囲を遊弋・・・。
次には大凧「地球」が颯爽とデビューする筈でしたが、江戸川堤防上の風が弱くなり揚がりきらない内に敢え無く失速してしまいました。
この日の為に苦労して作った大凧「地球」でしたが、竹の骨組みが複雑骨折・破損!!
修復不可能で本日の大凧揚げは「環境」のみの成功をもって終了となりました。
二張りの大凧が大空に舞うと「地球・環境」と自然の大切さをアッピールできたのですが・・・。
大凧や各種変わり凧など楽しめた江戸川河川敷の対岸にはグライダー滑空場(関宿滑空場)があります。
グライダー牽引機のプロペラ機やスマートなグライダーなどが凧と共に良く見ることが出来ます。 (上画像は連凧に戯れるグライダー、右下には関宿滑空場。)
子供連れ家族の行楽には絶好の大凧祭りです。
読者の皆様も来年5月には1841年(天保12)から続く伝統の大凧祭りに春日部市宝珠花へ是非どうぞ・・・。
2007 05 12(土)記。 前橋市 最高気温25℃ 無風快晴