白菜も大根もカブもネギも、全部収穫して保存したのは月初め、ほっと一息、油断した。正月雑煮用の小松菜を取ってなかった。他の家じゃどうか知らんが、我が家の雑煮は、澄まし、切り餅、具だくさん、その仕上げは青菜、って決まってんだよ。正月らしさには、目をつぶるって決めてる今年だが、雑煮くらいは、先祖の仕来りを守り通したい。だから、青菜は絶対必需品!なのに、まだ、いいか、そのうちな、で雪の下!あゝぁ。
この雪、いつか融けるさ、まだ12月だしな、しばし暖かい日が続いて、畑の土も顔をのぞかせんじゃないか?なぁんて、甘い、甘い!40センチも積もってんだぜ、融けるわけないだろが、根雪よ、根雪だって!仕方ねぇ、掘るしかねぇな。
天気、明日まで持つって話しだから、ちっとでも雪が減ってから掘るか、とも思ったが、神さんが実家に戻るって言うし、持たせてやりたいし、よっしゃ、掘りましょ、雪の下から小松菜救出しましょ。なぁに、たかだか4,50センチ!
えーと、このうず高い畝がネギ跡だろ、で、その隣はキャベツ跡で、イチゴがあって、それからナス、ピーマンの畝、その先に菜っ葉類が植わってるはず。菜もの畑の1列目は掻き菜だから、その隣の奥の方が、たしか、小松菜。わずか数週間前だってのに、もう、畑の様子はうる覚えだ。
長靴にはスパッツをしっかりつけて、いざ、雪原に踏み出す。やっぱな、40センチだよ。こりゃ融けねえわ。なんとなくこんもりした部分に狙いをつけて雪を取り除く。大した積雪じゃないが、スコップは切るように右、左、前に突っ込み、ブロックを切り出すように雪を取り除く。
お見事、って程じゃないが、一発的中、なんか嬉しい。雪で押し広げられた葉っぱを傷つけぬよう、そっと周囲の雪をどかす。これ、なんか似てねえか?遺跡の発掘調査。一株現れたら、包丁で根元を切り取り救出成功。畝の8割方掘り上げて、コンテナ一杯の小松を収穫した。
なんと、瑞々しい緑だ!育ち過ぎて、くすみこわばっていた茎葉も雪の力で完全に蘇ってる。雪の持つ再生力!そうだ、キャベツとか雪菜なんか、わざわざ雪に埋もれさせて、甘みや柔らかさを引き出すんだった。小松菜だって同じこと。雪の下でしばし貯蔵したってのは、正解だったのかもしれないな。
取り込んだ小松菜は、新鮮なうちに洗って湯がき、小分けにして冷凍。さっ、これで正月の準備は完了!ってことだぜ。もう、畑仕事でし残したことはないよな?なんだ?ぼかし作りが残ってる?そう、それがある。でも、材料はすべて運び込んであるから、大丈夫。暖かい日を選んで、積めばいいさ。春の訪れまでの数か月、のんびり冬ごもりと行こうじゃないか。
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