ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

天皇陛下お言葉って、初めて読んだ!

2016-01-29 09:13:07 | 世の中へ

 これまで皇室への興味ってほとんどなかった。いや、今だって取り立てて関心はない。天皇、皇太子ご夫妻くらいはわかるが、その子どもたちとかになると、どういう繋がりなのか、どっちが上でどっちが妹か、さっぱりわからない。女性週刊誌などが目の色変えて皇族の動静など追っかけているのなんかは、信じられんなぁぁぁぁい!の一言だ。日本の皇室だけのことじゃない。英国だろうとオランダ?だろうと、王室王族とかに興味はない。まっ、出自卑しき者のやっかみとも言えるが、先の大戦に果たした天皇、あるいは天皇制の役割には納得いかないからね。

 天皇?まっ、居てもいなくてもいいんじゃない?戦前みたいに変な担がれかたすると困るし。ここらあたりが、偽らぬ気持ちだった。でも、今は、少なくとも今上天皇に関してはぜひぜひ長生きして、いつまでも在位を保ってもらいたいと感じている。それは、明仁天皇が先の戦火の底知れ惨劇を深く心に刻み続けようと努力されてるからだ。あのお年にして、なお70年前の戦争とその被害に思いをいたしていることに正直感動する。それだけ天皇家にとって、大戦が大きな禍根となっていることなのだろうが、一身に歴史の惨禍を背負う誠実さには心打たれるものがある。人間、誰しも責任や災いの過去からは逃げ出したいものなのに、彼はその重荷を背負い続けている。

 フィリピンご訪問の天皇のお言葉を読んだ。天皇の発言を全文しっかりと読んだのは初めてだ。フィリピンをどのような気持ちで訪問され、その地の人たちにどんな言葉をかけられたのか、興味があった。読んで驚いたのは、ホセ・リサールに詳しく言及しておられたことだ。僕も名前くらいしか知らなかったこのフィリピン独立運動の国民的英雄について多くの言葉を費やし、フィリピンの苦難の歴史と日本との関わりを説いている。勉強してるんだよ。その地の人たちの心に寄り添おうとしてるんだよ。さらに大切なのは、先の大戦で無理矢理戦場にされ、フィリピンの人たちがたくさん殺され傷ついたことを述べていることだ。

 天皇のフィリピン訪問を伝えるテレビは、50万の日本人が命を落とした地、としか表現していなかった。でも、フィリピンじゃ100万もの人たちが死傷したんだ。しかも、勝手に庭先に入りこんできた部外者の抗争に巻き込まれて。この事実を天皇は今もしっかりと心に留めている。マスコミはじめ多くの人たちが忘れがちな戦争加害の現実を正しく理解し、謝罪しておられる。出発の時の天皇の言葉でも、フィリピン、アメリカ、そして、日本の順で災厄を被ったと述べていた。この順を何気なく聞き流してはいけないのだと思う。日本人の戦死者にしか言及しなかったマスコミとじゃ歴史認識の深さに大きな差があるって改めて感じた。

 過去を自分の都合いいように解釈し、時には事実さえもねじ曲げていく昨今の風潮、その歴史の揺れ戻しに対して、確固たる姿勢を貫いておられる天皇、その姿に打たれる。なんだか、天皇一人、必死で防波堤になっているよう感じもする。昨今の言動には、あるいは陰に陽に干渉もあるのではないか。それでも、ぶれることなく、遠慮することなく、臆することなく、戦争加害への反省と平和の大切さを説かれる姿、孤立させちゃいかんよなぁ。それじゃいかん、誰もが、明仁天皇の歴史への向かい方を学んで行く必要があるんだよ。

 

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