ステージおきたま

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おまけ?で買った『ピケティ入門』、いやぁ濃かったなぁ!

2023-01-22 11:11:46 | 本と雑誌
なんかさぁ、○○入門って恥ずかしくて買いにくいじゃないか。いかにもお手軽に上辺を撫でて、よっしゃわかった!なんてさ、今どきの倍速読書派じゃないんだから、原本読めよ、って今なお頭の片隅に巣食う昔気質が囁いたりするんだよ。
だから、ネットの古本屋でこの本『ピケティ入門』見つけた時も、ええーっ、入門本読む?それもピケティって、今更じゃねえか?って、二の足、三の足踏んだんだ。装丁も朱色一色に黒文字、なんか政治パンフっぽいし。
でも、著者見たら、あらら
尊敬する竹信三恵子さんだぜ、ほら、『賃金破壊』って素晴らしいルポで、関西生コン労組の戦いを正当かつ重要な組合活動として報告してくれた人だ。あの竹信さんが書いた本なら、価値あり保障!だぜ。

ピケティの「21世紀の資本」って本の紹介がこの『ピケティ入門』だ。
4っつの章からなっていて、その第1章はそのものずばり「21世紀の資本」とは何かで、超簡単にまとめるなら、資本主義では格差は広がり続けるってことを解き明かしたってこと。もちろん、その理由についてもピケティは説明していて、これまた簡単に言えば、資産から上がる収益は常に賃金収入を数倍上回るからってことで、まっ、数字を挙げてくれなくたって、周り見回せば納得できる。
第2章ピケティが考える解決策。所得税の累進性をきつくする、つまり、もうけてる奴らからたくさん税金納めてもらうことと、資産の海外逃亡を防ぐために各国が協力して世界資本税の制度を設けることって言うんだが、後者は確かにグローバール企業がやりたい放題の今の状況じゃきわめて重要な課題だが、それだけに難しい問題でもあるなぁ。
で、3章から5章は、格差社会日本の現状とアベノミクス批判、そして今できることは何かが述べられている。ここはもう竹信さんなればこその現場に即した発掘と問題提起になっている。
日本の場合、様々な目くらまし、政治家の、資産階級の、それに後押しされたマスメディアのごまかしが功を奏して、現実には格差が大きく拡大しているのに、格差の壁が人々に見えなくなっているとも書かれているが、この本が書かれたのは8年前。
その間、コロナもあって、格差の拡大はもはや覆い隠しようがなくなってはきている。日本全体の落ち込みについても様々な指標で、そのじり貧ダウンぶりが白日のもとに晒されてきつつある。
なのにだ。見捨てられた人たちの不満も怒りも噴き出して来ない。年金開始年齢が64歳に引き上げられるだけで110万人超がストライキするフランスとは大きな相違だ。
さらにだ。選挙をやれば投票率は50パーセントを切り、その低投票率のお陰で、自民党は安定多数を得て、防衛費に数兆円の支出を進めようてしても、絞られ切り捨てられている人たちの声は大きく響いて来ない。
その上にだ。若者は、年寄人数が少ないから、投票したって勝てっこない、などととんでもな反民主主義言動がコメンテーターによってばら撒かれる。
仕上げにだ。岸田の株取得礼賛、NISA優遇につられて、小株主になって小遣い稼ぎに一喜一憂する。
違うだろ!その道は。
違うだろ!見つめる方向が。
まずは、現実を見つめること、格差社会の理不尽と向き合うことじゃねえか!


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