これまで菜の花座の公演に、高校生が関わったことは一度しかなかった。そのたった一度の例外は、当人のたっての願いからだった。高校三年の思い出にぜひアマチュア劇団の舞台を踏みたいって拝み倒されて、仕方なく実現した高校生キャストだった。
今回は、うーん、残念ながら、こっちからお願いせざるを得ない状況なんだな、これが。まずは、照明。チーフのジュンコさんがどうしても前日の仕込みと明かり作りに出られないってことで、置農演劇部三年の照明担当タカヒロに頼むことになった。仕方ねえな、って思っていたら、今度は副舞台監督が参加見送りってことで、これまた置農から舞台監督経験者のシュウヘイをたのむことになった。リハーサルも夜遅くまでなるし、大人の中に高校生は入れたくないって気持ちは満々なんだけど、なんとも仕方ない。
でも、こうやって頼めるようになったってことは、実は置農演劇部の力が着いてきたってことの証明でもあるわけだ。助っ人頼んで、それなりに仕事ができるってことなわけだから。タカヒロは専門学校進学で照明の道に進もうとしているってこともあるしね。彼の勉強にもなる。
で、そうか、3年生も舞台作りに参加するんなら、下級生のスタッフ志望の生徒にも一緒に体験してもらおうか。てことで、今日、来てみる?って聞いてみたら、行きます!って心強い返事!!いいねぇ、その意欲!その熱意!!そうなんだ、照明の仕事に直に関われるなんてそうそうあるわけじゃないんだから、貴重な機会はしっかりとつかんでくれなくちゃね。うん、来年の照明スタッフも心強いぞ!
そうやって、一人また一人と演劇にのめり込む生徒が増えていく。これなんだよ。これが演劇部の実力アップってことなんだ。休みがなくたっていい。夜遅くなったっていい。仕事を覚えたい。先輩の技を盗みたい。そういうがむしゃらな熱中が、次々と感染して演劇ウィルスが演劇部全体に広がっていく。それが力なんだよな。
置農演劇部、頼もしいぜ、助っ人!よろしく頼む!!そして、菜の花座の皆さん、そんな高校生に恥ずかしいとこ見せないでよね。舞台でも楽屋でも!
高校に戻って演劇部したいです!!笑Σ
でも、菜の花座が待っています。
卒業するのを待っています。
トオル君の場合は、微妙ですね。
田舎に戻らずもっと大きな世界で活躍してほしい気がします。