ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

来たぞ!100分de名著「フェミニズム」

2023-01-04 12:33:50 | テレビ
来た、来た、来たぁぁぁ!
100分de名著、正月初っ端から「フェミニズム」だぜ。

やるよなぁ、この番組。時代の課題を鋭く突く特集を組み続けてる。100分で何が判る?なんて上から目線で批判するなよ。決して速読、飛ばし読み時代に迎合する番組なんかじゃないからな。しっかりした構成、的確な解説者、気の利いた司会者、それと何より今こそ求められる名著の選択、スタッフたちの問題意識の明確さ、確かさが現代の名番組を支えている。
年頭を飾る今回は、4週分を一気に凝縮、文字通り100分でフェミニズムを語り尽くした。いや、尽くしちゃいないだろうが、軽く総ざらいした。案内役は4名、女性について研究、著作、翻訳、活動を続けて来た人たちだ。進行役もいつもの安部アナウンサーと伊集院光に代ってバービー、あっ、バービーは勉強不足かつ問題意識の軽さで足引っ張ってたけど、すべて女性だ。
番組のホームページにこの企画の意図と実現の裏話が載っている。
<「RBG 最強の85歳」という映画・・・性差別と戦い続けた米最高裁判事ルース・ベーダー・ギンズバーグを追ったドキュメンタリー映画です。2人の監督、7人のプロデューサー、撮影監督、作曲家はじめ、制作のリーダーを全て女性が務めたことで話題を呼びました。・・・全体として、女性たちが舵をとったからこそ、今までにない、視点の深さと面白さがにじみ出ているのではないか・・・>。なるほど、女性がすべてを仕切るって狙い、まさに来る時代をいち早く呼び込むものだな。
 <誰もみたことのないことを見せるのがテレビの面白さの一つだ、もっと言えば、テレビの重い使命の一つだ>。そうそう、その心意気だぜ、今のテレビに欠けているのは。でも、これを企画したのも女性?っと思ったら男だった。ちょっとがっくり。きっと裏を囲む制作スタッフも男中心なんだろな。この辺が、現実の未熟さを示しているが、まっ、いいだろう、とにかく必要な内容なんだ。
4人の助言者の最初は、法律学者加藤陽子。菅から学術会議会員への任命を不当に拒否された人ね。彼女が紹介した名著は『伊藤野枝集』森まゆみ著。家事、妊娠、出産、子育てと女性に過剰に押し付けられる性的分業にあえぎつつも必死で自己実現を追い求めた野枝の生きざまを見つめながら考えた。
翻訳家の鴻巣友季子はアトウッドのディストピア小説『侍女の物語』を紹介しつつ、産む役割と男を楽しませる役割に局限された未来社会が実は今の時代にも生き続けていることを指摘していた。
上間陽子は『心的外傷と回復』ハーマン著を取り上げつつ、性的虐待の横行とその被害にあった女性たちの心の癒しについて語った。特に、沖縄、常に暴力的存在としての米軍と兵士に囲まれた沖縄での少女たちの厳しい現実の描写と実践活動の報告は心打つものがあった。SNSでも同じ感想が見られたな。
最後は上野千鶴子。そうだよなぁ、フェミニズム語るなら、この人がおおとりだよ。セジウィックの『男同士の絆』、イギリスブルジョア社会の家父長制が男と男の強い友情によって固められていて、そこから、ホモセクシュアルへの激しいバッシングが生まれ、さらにはミソジニー・女性蔑視へと繋がって行くという男社会の解釈理論を紹介してくれた。ついでに、その内容をもっとかみ砕いて書いた自著『女きらい・ニッポンのミソジニー』をちゃっかり売り込んでいたりして。
男にとって大切なのは男の承認であって、女性はその媒介でしかないって指摘は、日本全国津々浦々自民党おやじ政治に平定されている日本の実態を解きあがす鍵になるなぁ。少しでも頭をもたげ、声を上げる女性を異様かつ執拗に叩いて鬱憤を晴らしているヘル日本男たちはまさにこの家父長制の男風呂のいい湯だなと、どっぷり浸かっているんだろう。
で、どうしたらそんな絶望の男社会日本を変えて行けるのか?
上野姐御のズバリ一言!
「そりゃ波風立てることしかないでしょ」
ここ数年、多くの女性たちが八方乱打されながら、湖面に石を投げ続けている。性被害の認定を求めて裁判を戦い続けている伊藤詩織さん、自衛隊のセクハラを告発続ける五ノ井里奈さん、少し前だが#kutookの問題を投げかけた石川優実さん、そして、今現在、ミソジニストとネトウヨと性的マンガオタクたちにめちゃめちゃ叩かれ続けているColaboの仁藤夢乃さん・・・
彼女たちが必至に立てた波風を、男の俺として、どう煽り続けていけるのか、改めて突きつけられた100分de名著だったぜ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« この冬はゆとりだぜぇ! | トップ | おいっ、宝島、煽るんじゃね... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

テレビ」カテゴリの最新記事