泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

「さらばアメリカ!」大きな一歩を踏み出した

2018-05-10 23:19:00 | 丹下一の泡盛日記

今日も「さらばアメリカ!」の稽古へ。
今日「も」と言うが、この稽古、毎日ではない。
本番まで後2週間近くだというのに、今週は2回だけ。
横浜ボートシアターは元々が市民劇団で、小劇場の常として演劇だけでは生活できない。
なので生活手段を確保しながらの長期の稽古が基本になったのだそうな。
これはこれで、大人のペースとしていい。
次までの時間が長いので、いい意味でぼんやりと作戦を練ることができる。
ただ、こちとら定期の仕事なんか40歳すぎてから持ったことない”筋金入りの”フリーランスだ。
しかも稽古優先。仕事は二の次、というお馬鹿者だ。
「ぼろは着てても〜心は錦〜」というが、似たようなもんで。
以前に家族のために経済活動にいそしんでいた時の名残で、「ぼろ」とはいえないジャケットなんかは持っている。
「ぽろ」も持ってるもんね(^o^)/
そんなのをはおってバスに乗って稽古場へ向かう。
のだけどポケットには100円玉が二つしか、なんてこともしょっちゅうだ:)
ま、スイカやら色んなカードのおかげなんだけど。
もちろん金はあった方がいい。
でも、今年分の米は玄米であるし、冷蔵庫には食材がたくさんあるし、酒もたっぷり。
コンビニで買うよりも自分のおにぎりが一番。
できればパンだって焼いて持っていきたい。
それは全て役者としての体調管理のため。
以前は、ちょっとした何かを「買うこと」でストレスを解消していたのかもしれない、とも思う。
そんなことは、もうどうでもいいのだ。
前日、稽古に立ち会って下さったシアターχの上田美佐子さんの一言のフィードバックがヒントになった。
演出の遠藤啄郎さんにしかられてもいいから、芝居を変えてみようか、と作戦を錬っていた。
もちろん遠藤さんの演出ガイドラインを尊重しつつ、次のステップに踏み出してもいいかな、と。
この日は、公演する劇場の館長さんも稽古場に。
2時間近い抜き稽古の後、短い休憩。
持参の小さなおかかのおにぎり、バナナ一本とコーヒー。
おおたなるみさんがお通しで下さった甘いクッキー1個で糖分補給。
これで、戦闘態勢充分。
通し前に船の外に出て、トイレへ。

トレイから船に戻るこの時間がいい。
広い空が自分を招いている。
港の匂いに小学校を卒業した長崎を思い出す。
そして、新しいチャレンジをした通し稽古。
手応えがあった。
館長さんはとても喜んで、励まして下さった。
抜き稽古で新しい試みをやってみたので、遠藤さんはもちろん気がついていたと思う。
それでも通し前には何も言わず、「とりあえずこの方向で」と認めて下さった。
ありがたい。
本番前に大きな一歩を踏み出した。
ここからが一歩一歩、大事な時間になってゆく。

稽古を終えて、静かな夜景。
コメント
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