オニール「鯨油」の千秋楽。当初は雨の予報が、気持ちよく晴れた。
それだけで「天」が応援してくれているような気持ちになる。
身体がようやくこの芝居と空間になじんだ頃に千秋楽はやってくる。
もちろん商業演劇のように1ヶ月も興行をうったりあちらこちら旅して回るわけではない。
それでもこれはもうちょっと長くやりたいなあと思う舞台だ。
昼、マチネの公演は、まあ月曜日の昼間だから当たり前だけど、前日の満席と真逆状態。
それでも拍手が熱いのが嬉しい。
翻訳の高山吉張先生が終演後にさっと来て「迫力あったよ!」と伝えてくれたのが嬉しかった。
ソワレまでの時間は劇場の客席で仮眠。
いびきかいてたんじゃないだろうか、ってくらい爆睡。
以前は無理をしても起きていた。
この頃はちょっと眠っただけでも体調が違う。
ワルシャワで初めて後援したテアトルマウイ(国立小劇場)のには舞台裏に個室楽屋が数部屋あって、そこにはベッドがあった。
「ドレッサー」という楽屋裏が舞台の芝居にも老いた座長が楽屋のベッドでちょっと仮眠する場面が出てくる。
「老いた」つもりはないが、すなおにその辺で仮眠するようになった。
演出助手の大工原万里子さんを中心に若者チームがよく働いてくれる。
単に学校で訓練を受けたからだけではない気持ちのよいエネルギーだ。
おかげさまで夜も前進して無事終了。
シアターχ恒例のロビーでのアフターミーティングの間、若者チームは全員ばらし作業。
自分たちはさっさと飲み屋に移動。
というのも終電までの時間がほとんど残されていなかったからだけど、それでもありがたい贅沢。
普段は飲み屋に来ることがない演出の大内三朗さんまで登場。
全員集合して盛り上がり始めた宴会に後ろ髪をぐいぐい引かれつつ、一人終電で帰宅。
4年前にスタートしたこのプロジェクト。
昨年、役者3人でようやく舞台化にこぎつけて。
それが今年はこんなに発展。
自分も最初は「わかんない!」を連発していたのだけど、今ではすっかりオニールの世界に魅了されている。
そんな出会いにしみじみと幸せを感じた。