11月8日(土)、両国で稽古の後、斉木燿さんのお通夜へ。
先日NYでお世話になった岸本一郎さん「顔を見ることができるなら日本に行く!」と飛行機に飛び乗った。
さすが岸本さん。そして、さすが斉木さんだ。
斎場はかつてたくさんの演劇人が訪ねてくれた「静荘」の近く。
NYから来日した岸本チームの俳優たちもそこで暮らしていたことがある。
斉木さんも何度も泊まりに来てくれた。
久しぶりにその街に。
懐かしい小さな蕎麦屋でたぬき(ここでこれしか頼んだことがない)をすすっていたら岸本さんから電話。
斎場には、すでにものすごくたくさんの人が集まっていた。
小さな会場に入りきれない長蛇の列。
斉木さんの「人徳」だ。
読経が終わり棺の周りに人々が集まる。
供えられたいくつかの写真の一枚には自分も写っている。
「あの頃」を思い出さずにはいられない。
「同窓会」状態の人々はぞろぞろと駅前の居酒屋に。
芝居の打ち上げのように「献杯」し、ぐびぐびと飲む。
あっという間に酒が回りハイな状態の笑い声や叫び声が。
みんな一生懸命耐えているのだ。
そして一人になりたくないのだ。
時間も遅くなり、そろそろか、とトイレに行って戻って来たら一人が嗚咽している。
優しい顔がその周りに集まっている。
長年のパートナーだったおがやゆりえさんと話す。
気がついたら涙が止まらない。
いかんいかん。泣きたいのはおがやさんの方なのに。
早々に辞する。
帰宅して飲み直すのだが、全然酔わない(と自分では思っている)。
深夜、1987年に斉木さんと一緒に仕事したMとスカイプで話す。
告別式には立ち会えない。
稽古があるからだ。
午後、稽古が終わって16時。
うつそみの斉木さんはいなくなったことだろう。
「次」へ移動する車の中で手を合わせた。