泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

万里の長城

2010-03-25 11:10:55 | 丹下一の泡盛日記
 三浦半島は今日も冷たい雨。冬のようだ。
 雨のおかげで花粉が押さえられるのはありがたい。そして、洗濯ものが山のように。なぜか昔みたあふれた肥だめを思い出す。

 朝から市議選の連呼がやってくる。なんせ定数22から20に減らして、候補者が25人。逗子では激戦だ。ま、今まで危機感が無い選挙ばかりだったからな。本来の姿なのかも。

 Googleが中国から撤退。かの国の歴史はものすごい人口をどうやって一つにまとめるか、の繰り返しでもあった。だから今に通じる数々の偉大な思想が生まれた。
 その大変さは自分などの理解を越えているだろう。そして、今回の「撤退」は「万里の長城」を思い出す。巨大な壁つくって外敵をふせぎ、内に籠る。
 そして、長城も実はあまり役には立たなかった。

 先日,逗子のバーであるテーマパークで働いていると言う人の話が聞こえてきた。
 「中国から来る人は金持ってますよお」。
 その言い方に「信じられない事だけど」というような差別的な響きを感じてしまい不愉快になった。
 日本だけがアジアで唯一の金持ちの国だとでも思っているのだろうか。
 多分、あなたと同い年で同じように普通に働いていて、あなたより収入の多い中国人や台湾人、韓国人、シンガポール人はあなたの理解を超えるくらいたくさんいるのではないかしらん。

 中国がGNPで日本を追い抜こうとしていて、沿岸部と内陸との経済格差があれだけあるということは双方にどういう現実があるのか。
 内陸部の「昔ながらの」「ゆたかな大地の」中国の映像の印象だけを持ち続けたいのだろうか。
 今、BMWとベンツが世界で一番売れている国であり、注文に生産が追いつかない状態だとBMWの人から聞いた。
 日本は色々と問題はあるが、いい国だと思う。そして、あまり豊かな国ではないとも思っている。
 今のシステムを少し変えれば充分やっていけるとも思うが、日本人がそれを受け入れる覚悟ができる頃にはもう手遅れかもしれない。

 シンガポールもソウルも釜山も上海も北京も台北も高雄も香港も、もう東京とさして変わらない。そしてそれぞれに特化しているところがあり、それぞれに「うちでは気にしてないのこういうところは」というポイントがあるだけだ。
 先日、かみさんがソウルで「韓国人はがさつで嫌ね」と話す日本人に不快感を持ったと聞いた。自分は駅ですれ違いざまに自分のかばんに平気でぶつかってくる日本人が不愉快だ。欧州でそういう体験をすることは滅多に無い。
 昔、あるヨーロッパ人が涙ぐみながら「町中で日本人が向こうからぶつかりにくるのが怖い」と語っていた。

 以前も書いたが、数年前の外務省の新人研修の英語の時間。外国人の先生が(英語で)「スペインはどこにありますか?」と尋ねたら、全員英語は理解したが,スペインがどこにあるのか知らなかったと言う。自分には信じられなかった。大半が東大卒だ。
 ところがその後、若い人たちに「スペインはどこにある?」と聞きまくり,半数が答えられなかったことにもっと驚いた。南米と回答した人も何人かいた。確かに南米は巨大なスペイン語エリアだ。
 テレビでスペインを知り「行ってみたい」「みてみたい」「食べてみたい」と普通に話しながら、どこにあるのかは興味を持たない、ということが自分は理解できない。
 
 名古屋市長と市議会の戦いが火を噴いている。
 議席減を否決するようでは議会は信用されんだろうな。そして市長の公約を否決しまくると言う事は、民意をおろそかにしていることにならないのか。それとも民意を代表しているのは市議会の方、なのか?
 こちらも注目。 

 
コメント
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