泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

盗難事件

2007-01-18 13:16:47 | 丹下一の泡盛日記
 体の具合はまだ本調子ではないが、そうも言っていられないので起きてメールチェックなど。娘の弁当作りはかみさんが代わってくれる。

 先日、娘2が学校の女子更衣室に財布を置き忘れ、数時間後、同じ更衣室で見つかった財布の中からお札だけが消えているという事件があった。娘2の高校では、盗難は日常茶飯事だそうで気をつけるようにと先生方も注意を呼びかけているそうだ。

 1万円に満たない金額だが、5千円を超える金額は自分にとっては大金である。もちろん前日丸一日ウエイトレスのアルバイトをしてそのギャラを入れておいた娘2にとっても。

 娘2は財布を置き忘れた自分が悪いと言ったが、悪いのは盗んだ人だと反論した。置き忘れたことは不注意だが、その財布を届け出るのが筋であって、お札を抜き取るのが当たり前なわけがない。りっぱな犯罪である。そのことに麻痺してしまっていることは問題だ。

 一応先生に届けるけど、そういうケースが多すぎてどうせ探してくれないから、と娘2は言う。女子更衣室でのことなので同じ学校の女子生徒の誰かが犯人と考えられる(もし校外の人間だったらもっと大変だ)。定期は無事だったが、だから犯人は財布の持ち主を知っていることになる。(現金だけ、しかも札だけ抜き取るなんてプロだね)娘2はもちろん誰の仕業か心当たりすらない。

 翌朝、娘2は不登校になりそうだった。1時間目を遅刻させたが、一緒にゆっくり朝食をとり送り出した。

 以前、娘3が駅で定期を買う時、窓口の駅員が5千円札と1万円札を間違えて5千円多くおつりを渡した。娘3は正直に5千円多いことを言い、お釣りを返した。その時、横で見ていた同い年くらいの女子高生たちが「なにあの子、馬鹿じゃないの!」と大騒ぎしたので頭にきた、と話したことがあった。自分は娘3を誇りに思った。

 「今の世の中、そんなもんだよ」という声を時折聞く。「そんなもんだよ」と認めることは、自分には「盗むのが当たり前」と聞こえる。「もちろん自分はそんなことはしないけど」だとしても、自分は「認めること」は盗む側の人間になることだと思っている。
 
 盗んだ子にもきっと犯罪の意識もなく罪悪感なんてないんだろうな。「そんなもんだよ」ではけっしてすまされないことだと思う。

 そして、まったく話は違うが首相が国民のコンセンサスもなしにNATOに出かけて協力を申し出るなんて事を「今の世の中、そんなもんだ」で認めるわけにはいかないと一人茶の間で憤慨している。
コメント
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