Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

逃げてばかりの人生

2022年04月20日 | 日々、徒然に
秋に出す予定の本で
Macを前にして、イラストレータなどを使いながら
構成案をああだこうだと考えたり、
画面上でページ案をつくったり。
正解のないものを形にするのはなんとも難しい。

あれま。マウスの充電が切れちゃった。
どうしよう。作業できないではないか。
仕方ないなあ。充電できるまで待つしかない。
どれくら待てばいいんだろう。10分とか20分。
いや数時間ぐらい必要ではないか。もしかしてひと晩必要かな。
決して逃避ではありません。だってだってなんだもん。

明日から沖縄まで取材です。
け、決して逃避ではありません。仕事ですから。
逃げてばかりの人生のくせに、
と突っ込まれたら、ぐうの音も出ないんですが。
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負け組の野望

2022年04月19日 | いやはやなんとも
それにしても、
吉野家取締役の「生娘をシャブ漬け」発言。
問題ありまくりで言語道断なのはともかく、
この人まだ40代だというのに、
よくこれらのワードがするりと出たものだと思う。


もしかして
この映画を見ているのかな。
細野辰興監督、役所広司主演の「シャブ極道」(1996)。
シャブ、つまり覚醒剤でシノギを削るヤクザの物語で、
阪神淡路大震災を挟みながら、
暴力団との抗争に明け暮れる男の野望と破滅を描く。
公開当時、タイトルがいくらなんでもまずいということで
成人指定を喰らったいわくつきの作品。
役所広司の最高の演技が見られるというか、
ヤクザ映画史上に残る名作と言っていいかもしれない。

でも、こんな映画(褒め言葉)を見てしまったら、
大企業の取締役なんかになれるわけないだろうし。
当時、喜んで見ていた人(自分も、だ)はすべからく
負け組になっていることだろう、ってほっとかんかい、あん?

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爆音のなかで

2022年04月18日 | いやはやなんとも
朝ドラ「ちむどんどん」。
大森南朋演じる父親が急死。
その葬列の場面で、空に響き渡る米軍戦闘機の爆音。
これが沖縄なんだと知らしめる描写に
作り手の本気度を見る。今後も楽しみ。

ドラマはいいんだけど、
現実がいやはやなんとも。
吉野家の取締役の「シャブ漬け」発言とか、
恵比寿駅のロシア語表示の撤去うんぬんとか。
そんなアホなことばかりしていると、
遙か彼方のテキサスから
この人の怒りのチェーンソウが
美しすぎる朝日に照らされながら響き渡りますからね。

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魂の窓を開けろ

2022年04月17日 | たまには音楽でも
ニール・ヤング・ウィズ・
クレイジー・ホース「バーン」を聞く。
怒濤のごとくアーカイヴものが出ているニール翁は、
新作を出すのも忘れない。前作「コロラド」同様、
クレイジー・ホースとのニューアルバムで、今回も好盤。


#01 ソング・オブ・ザ・シーズンズ

いきなり名曲な感じがたっぷり。
ニール翁のハーモニカの優しい調べと
絶望のなかに希望を見るような歌詞が滲みる。
かつて出した「プレーリー・ウィンド」みたいな
しみじみ系のアルバムなのかな、
と思いきや、

#02 ヘディング・ウェスト
#04 カネリカン

少年時代の自分自身を振り返る
軽快なロックナンバー#02は、
両親が離婚したが、ママがギターを買ってくれた。
そんな日々をgood old daysと歌う。
#04も自伝的な曲で、
カナダで生まれアメリカを歌う自分のことを
カネリカンと呼ぶニール翁。

#05 シェイプ・オブ・ユー

では、お前の姿が愛しいと歌う。
お前とは、現在の妻ダリル・ハンナのことらしく、
サビで裏声になるところは
完全なノロケだなあ、と。なんとも可愛らしいラブソング。

#07 ヒューマン・レイス

これが本アルバムのベストトラックかな。
「ロッキン・イン・ザ・フリー・ワールド」的なアプローチで
人間の愚かさを告発する歌と演奏の激しさに聞き入る。



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灰色の街で

2022年04月16日 | 日々、徒然に
崔洋一「ラスト・ショー」@テアトル新宿に行く。
最近、がんを患ったことを公表した崔監督が、
自身の監督作の上映とともにおこなうトークイベント。
その上映作が「優作について私が知っている二・三の事柄」と、
「松田優作・メモリアル・ライブ」という、
崔監督が手掛けたドキュメンタリーの二本立て。


「優作について私が知っている二・三の事柄」は、
桃井かおりや水谷豊など、
優作と縁やゆかりの深い人たちへの
インタビューで構成されたドキュメンタリー。
複数の人々の視点から語られる言葉で
松田優作の人物像が浮き彫りになっていく。
梅林茂が語るミュージシャンとしての優作。
フォークソングから始まって、ロック、ブルース、
そしてニューウェイヴ系と、
音楽性が変わっていったくだりはとても興味深い。
優作の葬儀で、彼の骨をみんなで
分けて食べたと語る桃井かおりや、
水谷豊がランちゃんを伴い、
がんで闘病中の優作を見舞い、
みんなでフルーツを食べたという
エピソードの数々は哀しくて、重い。

そして「松田優作・メモリアル・ライブ」は、
優作の一周忌に
池袋サンシャイン劇場で行われたライブの模様を
余すところなく記録したドキュメンタリー。
水谷豊を狂言回しに、内田裕也や宇崎竜童
シーナ&鮎川誠、世良公則、新井英一、BOROら、
もちろん桃井かおりや原田芳雄も登場し、
優作の曲を演奏し、歌うワンナイトショー。
たった1台のカメラで撮られた映像なのに、
見事なグルーブ感というか躍動感というか。
崔監督の代表作に挙げてもいいぐらいだ。

この2本はDVD販売されていて、
そのうち買うつもりでいたけれど、
おっきなスクリーンで見られる幸福感にひたる。
これで1500円というのは、ものすごくお得だと思います。
優作ファン、および崔監督の映画に心動かされたことのある人は、
行けるならテアトル新宿に行ってみてください。
ありがとう崔監督。お元気そうで何よりです。
そして、ありがとう優作。

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ようこそ夏の日

2022年04月15日 | 映画など
沖田修一監督「子供はわかってあげない」を見る。
田島列島の原作が面白かったので、
本作もきっと良作だろうと思っていたら、
予想以上の素晴らしさ。
夏の陽差しがまぶしくて、この心優しい青春映画に
おっさんは感じ入ってしまいましたよ。ほんと。


上白石萌歌演じるサクタさんは
部活の水泳とアニメに夢中な高校生。
あるときプールサイドから校舎の屋上で
彼女が好きなアニメの絵を描いている
もじ君の姿を見る。
アニメの話でそこそこ盛り上がり、
サクタさんともじ君は、恋愛モードに突入かと思いきや
彼女の生き別れた実の父親を探す物語になっていく。

超能力があり、新興宗教の教祖となっていた父は、
今や能力が枯渇してしまったようで、
海沿いのひなびた整体院で働いていたことがわかる。

サクタさんとその実父のあいだには、
微妙な距離感がありつつも、
父がご飯をつくり、一緒に食べる場面が積み重ねられるところ。
整体院一家の孫の女の子に
サクタさんが水泳を教えるところなど、
一時的ではあるけれど、
ほぼ家族と言っていいコミュニティができあがる。
彼ら彼女らの背景には、眩しい日差しと海。
なんとも幸福感に満ちた場面が続き、心地良いことこの上ない。

「カムカムエヴリバディ」と本作を見て、
ようやく上白石姉妹のお姉さんがあっちで、
妹さんがこっちというのがわかりました。
実の父親を演じた豊川悦司や
母親役の斉藤由貴、継父役の古館寛治らも好演で、
高橋源一郎が古書店の店主だったりするのも楽しい一作。

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センチメンタルな徘徊

2022年04月14日 | やさぐれフォトグラフ
少しだけ早く目が覚めたので、
ウォーキングでもするかと思ったのが運の尽き。
歩くだけでこんなに疲れるとは。
体力と根性の無さに呆れつつ、
どこか休むところはないか。ベンチはどこだ、と徘徊。


小綺麗なマンションの敷地に、
これまた新しめのベンチを発見。
だが、こんな心身の汚れた男が
座っていいものか甚だ疑問である、ということで徘徊。


遊歩道沿いにもベンチがあった。
でもえらくキレイでピカピカしているではないか。
人生負け続けの男が座る資格はあるのか、
と、ふたたび徘徊。


ふむ。だいぶ理想のベンチに近づいてきたぞ。
とある公園の、そこそこ年季の入ったベンチである。
だが、しかし。ちゃんと手入れがされている様子で、
しかも凜とした佇まいに気後れして、徘徊を続ける。


おお。これじゃこれじゃ。
やさぐれた道ばたに、これまたいい感じに朽ちたベンチが。
近くの自販機で缶コーヒーなど買って、
倒れ込むように座るのがええんじゃ。
とフトコロを探したら財布を忘れて愉快なtaco。
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いちご畑のひと

2022年04月13日 | 読んでいろいろ思うところが
月刊ロッキング・オン5月号を読む。
松村雄策の追悼号。
ストロベリー・フィールドの前で
所在なげな表情で立つ、
ありし日の松村さんの写真とともに、
評伝と渋谷陽一の追悼文。
過去に掲載された松村さんによる
ジョンとポールについてのエッセイが2本。



追悼記事としては最低限のボリュームというか、
もっとページを割いて、なんなら
今号の半分以上追悼特集でも良かったのではと。
でも、この雑誌はすでにそういうことが
できるメディアではないと思うわけで。それはまた別の話。

身辺雑記の体でありながら、いつのまにか
ロックへの思いがほとばしる松村さんのエッセイに
ずいぶん影響を受けたものです。
あんな文章を書きたいと思いつつ、
決して真似できるものではないと思い知りました。
今は松村さんの書く、
ジョンとポールについて思いを馳せながら、読む。
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風と共に散れ

2022年04月12日 | やさぐれ男のつぶやき
青空。
差し込む陽光。
爽やかな風。

なのに。ずっと仕事場で
デスクの前にすわり、Macをじっと見ながら
仕事ばかりしているのは何故だろう。

次から次へと懸案事項が立ち上がり、
それらをひとつひとつ解決する、というよりは、
ある案件はきれいに片付けつつ、
別の案件は少しだけ手をつけて、
さらに他の案件はしれっとやり過ごす。

細切れに複数の仕事を
同時並行的に進めると、
それなりに進んだ感じはある。
でもアイデアを出したり、想像力を使ったりする仕事は
時間が区切られるとなかなか難しい。

なので。
青空をしばしぼおおっと見て、
いろんな意味で汚れた身体を日差しにさらして、
しばし風に吹かれようと思います。
友よ、答えはきっと風の中にある。
ディランがそう歌ってるんだもん。
このまま夕方まで風に吹かれていいですよね、ねったらねっ?
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たどり着けない地平

2022年04月10日 | 映画など
レオス・カラックス監督「アネット」を見る。
なんじゃあ、こりゃあ、と
松田優作みたいに叫びたくなったのは自分だけだろうか。
この監督の映画をありがたがるシネフィルたちに
冷や水を浴びせるような怪作ぶりに
翻弄されっぱなしの140分。
いや、あの。褒めてるんですよ。誤解なきよう。


これはミュージカルである。
だから、登場人物がいきなり歌ったり踊ったり、
ときには空を飛んだりしても全く問題ない。
さらに映画自体が実写とアニメの境界をさまよっても
ミュージカルの範疇であれば違和感はない。

と思っていたのに。
いざ、何でもありな描写を見せつけられて
戸惑う自分がいたというか。
なぜ主人公たちの娘がパペットなのか。
冒頭、カラックス監督がしれっと登場して、
やたら可愛い女の子(監督の娘らしい)が出たと思ったら、
そのあと全く登場せず肩すかしを食ったり、
古館寛治に似た人が出てるなと思ったら実は本人だったりして、
どうしてそんなキャスティングをしたのか、とざわめいたり。
映画自体に集中できなかったのが本当のところ。

アダム・ドライヴァー演じる主人公が、
己の才能の限界を感じ、だんだん病んでいき、
ついには才能あふれる妻を殺めてしまう。
そんな男の苦悩を描いたミュージカルであることを
すっかり忘れ、ヨコシマな心のまま見てしまったというか。

こんな映画の見方は駄目だ。
映画を見る行為とは、スクリーンに写し出されるものを
目と耳と皮膚で、感じ取ることだと
大学生のときに教わったはずなのに。

かつて「汚れた血」や「ポンヌフの恋人」で、
切なくも暴走する主人公に
魅せられたシネフィルたち(自分も、だ)は、
邪心があればあるほど、この新作が描こうとしているものから
遠ざかっていく気がするのです。

コメント (2)
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