Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

ようこそ夏の日

2022年04月15日 | 映画など
沖田修一監督「子供はわかってあげない」を見る。
田島列島の原作が面白かったので、
本作もきっと良作だろうと思っていたら、
予想以上の素晴らしさ。
夏の陽差しがまぶしくて、この心優しい青春映画に
おっさんは感じ入ってしまいましたよ。ほんと。


上白石萌歌演じるサクタさんは
部活の水泳とアニメに夢中な高校生。
あるときプールサイドから校舎の屋上で
彼女が好きなアニメの絵を描いている
もじ君の姿を見る。
アニメの話でそこそこ盛り上がり、
サクタさんともじ君は、恋愛モードに突入かと思いきや
彼女の生き別れた実の父親を探す物語になっていく。

超能力があり、新興宗教の教祖となっていた父は、
今や能力が枯渇してしまったようで、
海沿いのひなびた整体院で働いていたことがわかる。

サクタさんとその実父のあいだには、
微妙な距離感がありつつも、
父がご飯をつくり、一緒に食べる場面が積み重ねられるところ。
整体院一家の孫の女の子に
サクタさんが水泳を教えるところなど、
一時的ではあるけれど、
ほぼ家族と言っていいコミュニティができあがる。
彼ら彼女らの背景には、眩しい日差しと海。
なんとも幸福感に満ちた場面が続き、心地良いことこの上ない。

「カムカムエヴリバディ」と本作を見て、
ようやく上白石姉妹のお姉さんがあっちで、
妹さんがこっちというのがわかりました。
実の父親を演じた豊川悦司や
母親役の斉藤由貴、継父役の古館寛治らも好演で、
高橋源一郎が古書店の店主だったりするのも楽しい一作。

コメント
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