Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

それでも日常は続く

2008年05月14日 | 映画など
山下敦弘監督『松ヶ根乱射事件』を見る。
田舎町で起こる、チンケな事件。
それに巻き込まれる町の人々の喜怒哀楽を、
淡々と描くブラックコメディ。
数々の秀作をものにしてきたこの監督の、
ひょっとしたら最高作かもしれない。

 松ヶ根乱射事件(2007)

だらしなくて、身勝手なオトナばかり出てくる映画である。
自分の意志も何もなく、ただ流されるままに生きている。
少し気が強い者は、自分の勝手を通し、
気弱な者は、悪い奴らに食い物にされる。

身勝手な連中に振り回される主人公(新井浩文)が、
徐々にストレスを溜め込んでいくさまを見ていると、
心穏やかでなくなってくる。つまり、身につまされるのだ。

主人公の祖父が出てくるのだが、これがアルツハイマー。
近所の床屋の頭の弱い娘と、誰が父親だかわからないのだが、
いつのまにかその娘から生まれてくる子供。

ボケ老人か、頭の弱い女か、赤ん坊。
こうした人たちでなければ、
このだらしないオトナがはびこる
世の中を渡っていけないのかもしれない。
そんなやるせないメッセージを受け取った映画だった。



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