Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

ただの泡だと言われても

2013年07月20日 | 映画など
藤岡利充監督『立候補』を見る。
いわゆる「泡沫候補」と言われる人たちが、
負けるとわかっていて、
あえて出馬する姿に密着したドキュメントだが、
まぎれもない傑作でしょう。
これは大げさでも何でもなく、
映画の神が降りたかのような
名場面が押し寄せるクライマックスに震える。



政権放送を見るのがいつも楽しみで、
明日の参院選のための政見放送もよく見ていた。
大政党の候補者の人たちは、
当たり障りのない発言が多いのだけど、
泡沫な人たちは、もう言いたい放題で、
彼らの政策を聞くというより、
そのパフォーマンスが面白いというのが正直なところ。

しかし、本作を見て認識が変わった。
彼らは真面目なのだ。彼らなりに今の日本を憂い、
世の中を良くしようとして立候補するわけで、
そうでないと300万もの供託金は払わないだろうし、
道楽や売名行為とは言い切れない「思い」のようなものが、ある。

本作で登場する羽柴秀吉氏、外山恒一氏、
そして主役となるマック赤坂氏。奇天烈きわまりない人たちだけど、
大きなバックもなく、世間の白い目の中でのそれぞれの戦いぶり。
さらに彼らの家族や支援者にも焦点が当てられ、
それぞれ生活があり、哀しみと喜びが錯綜する。
まあ言ってみれば普通の市民であるにもかかわらず、
(自分もふくめて)そんな彼らを冷笑する人たちが
いかに多いかを痛感させられる。

大阪府知事戦に出たマック氏は、
維新の会の街頭演説に現れ、
橋下徹氏と対峙するクライマックスから、
思わず落涙してしまうラストまで一気に見せる。

泡沫候補から見た大政党。
泡沫候補から見た一般市民。
泡沫候補から見た日本。

こんな風に見えるんだ。
さて、参院選選挙。行くとするか。









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