なんとか締切の原稿を書き上げる。
あと今月はアレだ。年明けに出る本(3冊)の編集と原稿書き。
インタビュー原稿を2本書けばいいのだ。
たったそれだけである。
そんなの一瞬で終わるのだ。きっと。たぶん。一瞬で。うふふ。
と気持ちの悪い薄笑いを浮かべ、
今日はこれくらいにしてあげてよろしくてよ、
といつものツンデレモードで仕事場を出たと思いねえ。
駅に向かう路地で
犬と散歩している女の人とすれ違う。
あれ、と思い、二度見する。
いや、決して自分は変質者ではない。女の人ではなく犬を見たのだ。
犬じゃない。豚だ。
けっこうな大きさの豚で、衣服のようなものを身にまとい、
女の人にリードでつながれ、ぶひぶひと散歩していたという。
その豚は自分の方を向いて、さらに鼻を鳴らしてきた。
「あ、そっち行っちゃダメよ」と女の人。
小型の豚をペットにするのは聞いたことはあるが、
おそらく標準タイプの大きさだと思う。
どうやって飼っているのだろう。名前はつけてるんだろうな。
まさかぶくぶくと太らせて、いずれ美味しくいただくとか。
内澤旬子さんの「飼い喰い」の世界だ。
ムスリムの人とすれ違ったら大変かもな、大丈夫かな。
愛する豚が誘拐され、取り戻そうと犯人をぶち殺す(たぶん)
ニコラス・ケイジの映画があったなあ。まだやってるかな。
とかなんとか、脳内は妄想で爆発していたのです。
とはいっても、すれ違ったのはほんの数十秒で、
「そろそろ帰ろうね」と豚に話しかける女の人の声が
次第に遠ざかっていくのでした。そんな金曜日の夜。
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