Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

語る風景、黙りこむふたり

2020年06月20日 | 映画など

コゴナダ監督「コロンバス」を見る。

ひとりの女の子と韓国人男性の、

恋愛とも友情ともつかない交流が、静かに端正に描かれていて、

おお、これはいい映画だなあ、と。

見ているうちに、いつのまにか

やさぐれた心が癒やされていったという。

 

 

舞台はインディアナ州コロンバス。

モダニズム建築が多く見られるこの街の風景が静かに切り取られる。

その切り取られたショットが、淡々とした物語のなか、断続的に挿入される。

いたって静かな映画なのだけど、ショットのひとつひとつが意図的というか、

そこから何を読み取ったらいいのだろうと考える。

 

薬物依存症の母親を放っておけず、

自分の未来を夢見ることができない女の子と、

高名な大学教授の父親との確執を引きずっている青年が

お互いの傷にそっと寄り添う。でもふたりは必要以上に接近しない。

そのあたりの厳しさというか、残酷さも垣間見られたりする。

 

監督はヒッチコックや小津のドキュメンタリーを

つくっているらしい。映画の文法というものに意識的な人なのだろう。

 

主人公のケイシーを演じたのは、

ヘイリー・ルー・リチャードソン。

「スイート17モンスター」で

ヘイリー・スタインフェルドの友人を演じた女の子だ。

やさぐれたティーンエージャーぶりが素晴らしい。

アメリカの10代から20代の女優さんは充実しているなあと。

 

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