朝日新聞の夕刊に載っていた、
国際政治学者の酒井啓子さんのコラムを読む。
中東問題に関しては、おそらく第一人者の酒井先生いわく、
「断行や制裁が相手国を折れさせた例は、ほとんどない。
90年代、米政権はイランとイラク両方を封じ込めて、
国力を削ごうとした。(中略) それで米政権はイラクが
弱体化したと安心できたか?
結末はよく知られている。米国はイラク戦争で軍事的に
政権を転覆するしかないと決心した」
酒井先生はかつて米国が中東でおかした失敗を、
再び北のあの国でやろうとしていることに危惧感を抱いている。
そんな米国に乗っかっているのが日本なのだろう。
制裁に恐れをなして、核開発を放棄したのは、
カダフィ時代のリビア一国だけだ、と書く
酒井先生の警鐘を、どう受け止めるか。
わからないから、得体が知れないから、潰そうとするんだろう。
そんな考え方を、自分もしていないかどうか、
ちょっと見つめ直そうかと。とりあえず。