うひょひょひょひょひょ。
何故だ。夏が始まる前に、
台所とか風呂場とか、水回りにちゃんと
ホウ酸団子の入ったカプセルを設置して、
これでもう二度と出現しないと思っていたのに、
なぜ性懲りも無く現れるのだ、邪悪なT君よ。
「いや〜夏のあいだは、ちょっとしびれてたんですよ〜。
もっと活発に動こうと思ってたんですけどね、
ついつい、体がしびれちゃいまして〜」
しびれた、ってまさか。
この焼きそばのせいなのか。
「花椒が○○○○みたいに入っているんですよ〜。
だからといって、喰う人をしびれさすまで入れますかね〜
さすが一平ちゃんというか〜」
どさくさに紛れて、なぜ貴様は禁止用語を使うのだ。
しびれる焼きそばのことなんか、知るか。
「ほんとですか〜。喰いたいんじゃないですか〜。
イヤなことがあったら、これを食せばいいんですよ〜。
一瞬でしびれて桃源郷ですから、うひょひょひょ」
そんなにしびれたいなら、一生しびれてろ。
そう言いながら、奴の目と鼻と口、穴という穴に
花椒をこすりつける。
「うひょ〜しびれるしびれる〜
なんてコトするんですか〜」
非難の声ではない。歓喜の声だ。
邪悪なT君はまたまた桃源郷にたどり着いたようで。
曖昧な笑顔を浮かべながら、高笑いを続けるのでした。