澤井信一郎監督「ラブ・ストーリーを君に」を見る。
88年公開というから、26年も前の映画なのか。
当時、国民的美少女と言われていたゴクミこと後藤久美子が
白血病で余命いくばくもない少女を演じた、難病モノのラブストーリー。
いやあ、驚いた。とんでもない名作ではないか。
もう泣けて泣けて仕方ないほど、の。
ストーリーはベタというか陳腐で、
こんな話で泣けるものかと思うけれど、
澤井監督の演出にコロリと騙されるわけで。
どこまでもまっすぐなゴクミの芝居。
それを受ける仲村トオルのピュアな青年ぶり。
俳優としてまっさらな二人を囲むように、
ベテランの俳優たちを散りばめる。手堅いと言えばそれまでなのだけれど。
圧巻は、いつ死んでもおかしくないゴクミを連れて
二人で北アルプスを登るクライマックス。
当たり前だけど、ちゃんとロケをして二人とも登っているわけで、
リアルな風景をバックにしたときの迫力が真に迫ってくる。
こういうのを抜けがいい、というのだろうか。
見事なロケーション映画。気持ち良く泣かせてもらいました。