「こんにちは~」
仕事場を出て、書店に行こうと思った矢先、
すれ違った人からいきなり挨拶されてしまった。
相手が一瞬誰なのか、わからなかったのだけど、
約1秒後、いつもお世話になっている整体の先生であることに気がついた。
整体院で白衣を着用している先生の姿しかイメージにないので、
判別できなかったのだろう。
たまにこういうことがある。
先日も、仕事場近くの路地を歩いていたら、
向こうからやってきた、強面のおっちゃんに「こんちわ」と挨拶されたのだ。
そのときはこちらも曖昧に挨拶をしたのだけど、
そのおっちゃんが誰なのかを思い出したのは、数時間経ってからだった。
「中華屋のおっちゃんだ」
そう、仕事場から歩いて3分ほどのところにある、
それはそれはやさぐれた中華屋のおっちゃんだった。
もう何年もあの店には行ってないのに、
どうしてこっちのことを覚えているんだろう、と。
常連というほど行ってなかったし、
酒飲んで粗相をした覚えも、ない(当たり前だ)。
そろそろ冷やし中華の季節だし、
久々に行ってみようかと思ったが、一瞬で否定。
なぜかというと、あそこの店の冷やし中華、
それはそれは不味いんである。
そういうところは記憶が強烈だ。
どうやら脳味噌より味覚のほうが、記憶力が上である。