アルフォンソ・キュアロン監督「ゼロ・グラビティ」を見る。
映画は見世物だと言うけれど、
確かにこれまでに見たことのないものを見せられると、
単純に驚くし、感動するわけで、
そういう意味でこの映画、すごい見世物である。
出演はサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーだけ。
ロシアが自国の人工衛星を破壊、その破片が二人の乗るスペースシャトルを襲う。
シャトルは大破。宇宙に放り出された二人は
近くを飛行するISSに向かうが、果たして無事に帰還できるのかという、
いたってシンプルなストーリー。上映時間も91分とタイト。
宇宙空間の、まさにゼログラビティな状態で
体がぐるぐる回るサンドラ・ブロックを見ていると、こちらまで
目が回って酔っぱらってしまう。
いろんな意味で、足が地についていないことによる不安感が
これまでにないサスペンスを生むのだろう。
ISSにたどりついた二人に、再び破片が襲いかかり、
スローモーションでISSが破壊されていく場面は、
たまらなく残酷で美しい。お見事。