Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

時をかける想い

2007年04月09日 | 読んでいろいろ思うところが
体調はかなり戻ってきた、と思う。
無理矢理にでもそう信じたい。メシも普通に食える(噛める)し、
階段を上っても息切れしない。
一時はどうなるかと思っていたのだけど。

有田芳生『私の家は山の向こう』を読む。
1995年に亡くなったテレサ・テンの生涯を
追いかけたルポルタージュだ。



特にテレサ・テンが好きだったわけではない。
ただ、「つぐない」とか「時の流れに身をまかせ」とか、
巷に流れていた頃はよく覚えている。
演歌に興味がなかった僕でも、
はっとさせるほどの訴求力があったと思う。

この本を読むと、まさにその頃のテレサ・テンは全盛期で、
いかにこの歌い手が凄かったかがうかがえる。
中国で起きた天安門事件に異を唱え、
民主化を叫ぶ学生たちの支援をしたり、
逆にそうした行動が、歌手としてのキャリアを傷つけたりした。
まさにアジアの歴史に翻弄され、そして、逆にシンボルともなった
希有な存在だと思う。

一時期、フェイ・ウォンが好きだった僕は、
彼女がリスペクトしている歌手がテレサ・テンだと聞いたとき、
なぜ、あんな演歌歌手が? と思ったこともあった。
フェイ・ウォンがテレサ・テンの歌をカバーしたアルバムも
持っていたのだが、あまり良い印象が、ない。

今回、この本を読んで、
テレサ・テンのCDを借りてきて、聞いたのだが、
フェイ・ウォンより、抜群に素晴らしかった。

テレサ・テンは、ものすごく上手な歌手ではないと思う。
しかし、その表現力の凄さというか、どこか危うい雰囲気を
醸し出したボーカルは、憂いを帯び、センチメンタルだ。
それは、日本語でも、中国語で歌われた歌でも、変わらないところだ。

木村佳乃がテレサを演じたテレビドラマが始まるらしい。
うーん、イメージが湧かないなあ。
もっと適役がいると思うのだけども。
コン・リーあたりが演るべきだと思うのだが、
まあ日本のテレビドラマだからねー。
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早朝の閑散さ、川べりの陽

2007年04月09日 | ささやかな幸せ
他所の土地に泊まると、
やたらに早く目が覚めてしまうのは何故だろう。
朝の6時に起きた僕は、
新潟駅前を歩いてみた。
都会の朝の閑散とした風景は、どこも同じだなあ。

コンビニで地元の新聞を買い、
ホテルに戻って、テレビを点けつつ、
ぼんやりと新聞を読む。
朝食はバイキング方式で、
パンやコーヒーが食べられるようになっていた。
やたらに安いホテル(一泊4300円!)だが、
値段の割には快適で、フロントのお姉さんも溌剌として
気持ちのいい挨拶をしてくれた。

日本海まですぐ近くだったので、
なんとか見に行きたいと思ったが、
パンを食ったり、シャワーを浴びたあと、
テレビの「ゲゲゲの鬼太郎」に見入ってしまった。
いつもの主題歌は誰が歌っているのだろう、と思ったら、
なんと泉谷しげるだった。
ねずみ男が、拾ったパソコンの中のデータを売って
大儲けする話で、外車を乗り回し「オレは勝ち組だ!」と
鬼太郎に吹聴するくだりがあったりして、
なんだか引き込まれてしまった。

そんなことをしていたら、すでに10時。チェックアウトの時間だ。
11時から人に会う約束があったので、
目的の場所まで歩いていく。
地図を見ながら、信濃川の土手をてくてくと40分ぐらい
鳥が飛んでいるのを見ながら、歩いた。

とあるイベントを取材するのが、
今回の新潟行きの最大の目的なのだが、
その関係者でウェブデザイナーのOさんと打ち合わせる。
いいものができることを願って、いろいろと話す。

午後からイベントがスタート。
最後の最後に、腹の底から大笑いする瞬間があり、
はるばる新潟まで来た甲斐があったと思った。ホントに。

イベントが終わったのは午後の4時過ぎ。
慌てて新潟駅に行き、新幹線に飛び乗ったのだった。

海は見られなかったが、
美味しい地酒と、魚、信濃川の土手で浴びた、やわらかな陽。
それだけで充分。いろいろとお世話になりました。
コメント (3)
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