桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

あきら

2011-08-16 | Weblog
俺が社会に帰ったとき、 親戚に娘が二人いた。 11歳と9歳だったが、土方仕事をして帰ると、それから一緒に走ったり、我が家に来て学校でのことを話したり、毎日のように会っていた。子供が大好きな俺は、この子供たちに癒やされたが、成長するに連れて女性になる子供たちとの付き合いが巧く出来なくなり、自然と会わなくなった。
しかし、二人も大人になり、一人は母親に、一人は美容師になったことで、また会ったり、 話したりするようになった。
昨日は、姉の方が、北松戸のマンションに遊びに来たい!と望まれて、その子供と一緒に会った。
名前は、あきら。平仮名で女の子だ。食べても筋肉にならないなど、成長が巧く行かない病を抱えた娘で、最初は意識が判らなかったし、通じ合わなかったが、何を望んでるのか、何を言いたいのか、それだけに集中して相手をしていたらば、乳母車からも俺の顔を追ってくれたりするようになり、意思が通じ合うようになった。
完全に母親になった娘を見ているのも楽しかったが、一生懸命に生きている病を抱えたあきらを抱いていて、本当に命の愛しさを感じた一日だった。

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