桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

異論アリ!!

2015-12-15 | Weblog
今朝の毎日新聞に「不祥事続き北海道警」とする、北海道報道部袴田貴行氏の署名記事が載った。
記者は、北海道警の不祥事続きに付いて批判し、「捜査員の熱意と地道な努力で事件が解決し、治安が維持されている―。取材を通してそんな思いを強くした」と書く。
確かに、事件にあたる刑事たちは真剣に任務を果たしているのだろうが、「それで治安が維持されている」とは、この誤りこそ、警察の嘘を許す原因ではないのだろうか。
今や事件の解決率は3割ほどだ。警察の事件解決率は、実にお粗末だし、能力が落ちている。でも、日本の犯罪件数は、年毎に少なくなっているのだから、残念ながら警察の力で治安が維持されていると考えるのは誤りだろう。
「道警1万2千人。多くの警察官らが時には家庭も顧みず職務に打ち込む一方、ミスをしたり、犯罪に手を染めたりする警察官もいる」と書く袴田記者の認識には同感だ。組織となれば、そうした人間はいるし、人間である以上、仕方ない面がある。だからこそ、正直に事実を公表すべきなのに、警察を指揮する上級国家公務員として警察官になった「キャリア連中」は、これを隠そうとするばかりた。正直さの欠片もない。
なぜか!?
警察官犯罪を公表すると、自分の出世が妨げられると思うからだ。そして、「警察によって治安が維持されている」と言う神話を護りたいために、人間警察官の犯す罪を公表したがらないのだ。
検察官経験者の日浦力弁護士は「多くの警察官は高い正義感と使命感の下、汗水垂らして働いている。ほんの一握りの不祥事が現場の苦労を台無しにする」と語るらしいが、これにも違和感を覚える。現場の苦労を台無しにするのは、自己保身のキャリア連中による、不正直にあるのではないか。もちろん警察官犯罪が許されて良いはずはないが、人間としてあることならば、その不祥事を以て警察全体を責めるものだろうか。使命感などで汗水垂らして頑張る警察官を、真に裏切っているのはキャリアの自己保身だ。
そこを書かなくては、真の警察不祥事を書いたことにはならないだろう。

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