桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

当然のこと

2020-06-27 | Weblog
日野町事件の裁判長になる気満々だった長井秀典。長井裁判官の日野町事件再審請求棄却判断は醜悪だった。
思い込み、偏見、論理錯綜、山ほどにある矛盾を、悉くに言葉の綾で誤魔化して阪原弘さんを犯人だとして棄却したのだが、それが再び裁判長になろうと積極的だったというから驚くしかない。
この男、西山美香さんにも有罪判決を書いて刑務所へ送っているが、普通の社会常識で考えれば、西山さんが再審で無罪判決が出た時点で裁判官を辞めるべきではないのか。
それが反省もせず、責任も取らずに自分が再審を棄却した日野町事件の再審開始の高裁での審理に関わろうというのだから長井と裁判所の非常識には呆れるしかない。
大阪高裁は日野町事件の係属を長井秀典の第2刑事部から第3刑事部に移す判断をしたが、当然のことだろうが、もし抗議の声を上げなければ、どうなっていたのだろうか。
日本の再審裁判にはルールがない。検察官が隠している証拠を出させることや公益の代表たる検察官が裁判所の判断に抗告出来ることだけではなくて、過去に判断をした裁判官が同じ事件を裁く不公正
を防ぐ法律すらもないことの問題性を、今回の長井秀典異動問題は教えてくれた。
しかし、大阪高裁には刑事部が6あるらしいが、過去に日野町事件に有罪判断を下した裁判官がいないのは第3と第6だけというのも驚きだ。
人を誤った判断で刑務所に送った裁判官がノウノウと裁判官でいられるから冤罪は無くならないのだ。