桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

我が故郷へ

2013-10-29 | Weblog


千葉刑務所へ行った。
北陵クリニック事件の守大助に面会だったが、雨に濡れた工場の屋根や、俺も入った南向きの病舎の屋根を眺めながら、実に懐かしい気分になった。
受付にいた職員、面会に立ち会った職員、総てがお世話になった方で「ときどきテレビで見てるよ」と言われ、言葉を交わして見ると、あの頃を思い出して、本当に不思議な気分だったなぁ。
「まだスポーツをやってるの?」と、いきなり聞かれて、「俺が野球などのスポーツで、何時も先頭でやっていたのを覚えているんだな」と思ったし、互いに昔のことを含めて話したが、一緒に行った連れ合いや水戸から行った大名さんは、どう思ったやら。ただ、俺が、塀の中で社会に帰る日を目指して身体を鍛えながら頑張っていたのは、きっと判ったと思う。
大助も元気で安心した面会だったが、俺が俺になった千葉刑務所での歳月を思うと、ここは我が故郷、年に1度は来なければ!と思った。
折角、行ったのだから、何かを買いたいと思ったが、残念ながら売店には、気に入った千葉刑務所製品がなくて、三重刑務所製品らしい「マジック貯金箱」を買って来たが、開かない!
どうしょう???