桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

支援絵画展

2009-09-20 | Weblog
今日から飯田橋の駅前、ギャラリー・ドゥで布川事件支援の絵画展が始まった。長く布川を支援して下さってる五味洋三さんと五味さんの元同僚で画友の菅野正一さんの二人展だ。
6年前にも一度、同じ場所で開かれたが、こうして力を貸して頂ければこそ、我々の長い闘いは続けられたし、勝利に近付いたのだ。有難い限りだ。

29年

2009-09-20 | Weblog
モスクワオリンピックポイコットから、今年は29年になる。
当時の選手たちや時代を語るテレビ番組があった。
柔道の山下さん、マラソンの瀬古さんなど、有名な人は誰でも知るだろうが、その中に、長和義さんという自転車競技選手がいて、長さんの29年が語られていた。きっと長和義さんと言っても知らない人が多いだろう。
俺は競輪が競技としても好きで自転車競技に興味をもっていたから、この選手の存在も知っていたが、彼の29年を知って、非常に心をうたれた。
長さんがモスクワオリンピックに参加していたならば、きっと自転車競技の初メダル記録は、彼によって記録されていたと思うが、その実力に相応しく24時間の総てを練習に打ち込んでいた。しかし、アメリカに同調してのボイコット。彼の挫折は深くて、長さんは自転車競技を捨て、全く違う飲食の世界で時を過ごして来たらしい。
当時、涙を流して参加を訴えた選手たちの映像が流れことを記憶している人もあるだろうが、多くの人が次のオリンピックを目指した中で、一切を断って違う世界に行った思いには、どんなに深い挫折があったろうかと考えると、俺の過ごした29年に重なり、深い思いになった。
長さんは自分の暮らしを違う世界で確立され、テレビ番組の中で、あれ以来という自転車に乗って晴れやかな顔をされていた。きっと総てを乗り越えて自分の青春の総てを打ち込んだ世界に触れる気持ちになったのだろう。
長さんが乗り越えて来た思いに、俺の思いが重なり、本当に良くやったね!と声を掛けたい思いになった。人は、どんな思いも体験も乗り越えて行ける。ひたすらに生きていけば。

あれから一年

2009-09-20 | Weblog
昨年の秋、俺は長時間の飛行に不安を感じながら、検察のふざけた特別抗告への怒りに押されてジュネーブへ行った。
行ってみれば飛行機など、大した問題ではなかった。見るもの、聞くもの、触れるもの、みな刺激的で新鮮で俺の固まった価値観が壊れて行くようだった毎日。特に、同行することになった魅力的な人たちとの時間は、今でも懐かしく思い出し、親しくお付き合いを重ねる人もいるが、あれから一年が過ぎた。過ぎれば時は短いけれども、俺には早かったという感覚が無い。俺の一年はイベントが多いので、一年前が、もう遥か昔、何年も前のように感じるみたいだ。
俺がジュネーブへ行った月日が残したものは、魅力的な友人の他に、語学へのトライもある。二年で話すようになると宣言したが、果たしてどうなるか?
自分で楽しみだよね。