職人たちの徒然草

新潟県・燕市在住の職人ヤスさんと、東京都・杉並区在住の職人ナガさんの交換?日記です。

テンペラ画かな

2007年05月21日 | ヤスさん日記
時々読み返す本。
宮沢賢治著「春と修羅」

「いかりのにがさまた青さ
 四月の気層のひかりの底を
 唾し はぎしりゆききする
 おれはひとりの修羅なのだ」

彼の手帳に遺っていたコトバ
「雨ニモマケズ」
そして彼の底を
一緒に流れていた「春と修羅」
そう、きっと一緒に流れている
今は見えにくい部分に
彼の本当が在るのではないかと。

「まことのことばはうしなはれ
 雲はちぎれてそらをとぶ」

伝えるということを
強く願っていたであろう
彼のココロの内は
空への祈りと同じような。

「けらをまとひおれを見るその農夫
 ほんたうにおれが見えるのか
 まばゆい気圏の海のそこに」

そこに居るということ

ほんとうに見える
ほんとうに在るということ。


彼のコトバはテンペラ画の
イメージなのです。
その内に彩られている神性、
混ざり合い、溶け合い
すばらしい発色を魅せ
そして風化していく。
しかし、見えないところの
ほんとうはしっかりと残っているような。


「わたくしといふ現象は
 仮定された有機交流電燈の
 ひとつの青い照明です
 (あらゆる透明な幽霊の複合体)」


そうそう、最近の発見です。
瞼の内に在る者は
無意識のうちに
一日何千回と見ているのですねー。
賢治はどんな月を観ていたのか
久しぶりにゆっくり月を観ようかと思う
春の一日です。
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時間の必然性は

2007年05月20日 | ヤスさん日記
1年前に会った仲間。
一年間。
仲間、仲間。
素晴らしい仲間。
信頼しあえることに
時間の必然性は無いのだなと。

一昨日午前9時から始まった
オックスファム・トレイルウォーカー
私の仲間のチームHAPPY℃が
今日の午前8時ごろ
見事100kmを完歩しました!

険しい山道100kmを
48時間以内に歩ききる
体力気力ともに計り知れない
予想を遥かにしのぐ道のり。
仕事を持ちながらもトレーニングに励んみ
世界の貧困問題に取り組み寄付を集め
そして「やりきる」ということを
教えてくれた仲間たち。
そしてその想いを共有し
サポートしてくれた仲間たち。

またひとつ、大きくて
コトバでは語りつくせない
とても大切な宝物をもらいました。
その答えを出すのは
これからの自分。
自分にできること
まだまだやれること
成し遂げること
信じること。

日々の細やかなことに
光や彩を与えるべく、
自分の命を全うするべく、
自分を信じることから
始めよう
と思う今日この頃。

ただ尽きるのは
ステキな仲間たち
ありがとう。です。
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気もそぞろ

2007年05月19日 | ヤスさん日記
新潟は雨降り土曜日。
東京も雨降りでしょうかね。

今日は気もそぞろ。
昨日から私の仲間が
オックスファム・トレイルウォーカー
参加をしているのです。
中継メールを読んでいると。
飛んでいってサポートしたい!と。

頭の中には分かっている
と思っていた
時間、距離、空間が
厳然として前に立ちはだかったとき、
自分が何をしたほうが良いのか?
この地でできることは?
と強く投げかけてきます。
すべては超越できる
と想っていたはず、
なのにと。

気もそぞろ
いやいや、できることを
精一杯やるだけ。
気もそぞろ
まだまだ、頭を回さなければ。

それぞれの想いが
同じベクトルを共有している
ということも、
それぞれの役割を
しっかり見つめ分かり合っている
ということも、
分かっているはずだったのに
気もそぞろ。

きっとこれが分かつ時。
このイベントが教えてくれていること
人間大橋として
できることを
もっと深く深く考え
動く48時間になるのでしょう。
そんな大切な時間なのですね。
きっと。
みんなの精一杯に応えようっと。
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あぁ、そうだった。

2007年05月18日 | ヤスさん日記
昨晩の大風でいろいろな物がとび
こんなものがこんなところに!
驚きの新潟は快晴です。

手を挙げれば「おうっ」と
応えてくれる友が、
時間を横に置いて
ただ酒を酌み交わせる友が、
長い長い事柄を
酸いも甘いも
分かち合ってきた友が。

夜の大風に吹かれながら
ゆらゆらと歩みながら
はははっ、と笑いながら
「あぁ、そうだった。
 ここにあったんだな。」
と今さらながらの発見。
それは自分のベクトルの原点を
まざまざと照らしてくれ、
今も地面を踏んでるのだと
しっかり実感させてくれます。

日本海に沈む夕日
バイクのテールランプ
タバコの煙
あたたかいコーヒー缶
花火の火薬の香り

新しい兆しを見つけたとき
自分のココロの揺らぎを感じたとき、
ただそこに在るだけで
ありがたい存在は
やはりありがたいのだなぁと
思う酒焼けの朝。

さて、新しい兆しをしっかりと
つかむためにも
先ずは日々の修行に励もうと思う
気持ちの良い職人の朝なのでした。
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そうだ、手紙を書こう

2007年05月17日 | ヤスさん日記
ひと雨ごとにあたたかくなり
新潟では田植えも終わり、
これからの日々の成長が楽しみな
春の一日です。

とっておきの封筒と
とっておきの便箋、
使い慣れたペンで
手紙を書いてみました。

手紙のワクワク感
手紙のどきどき感
送る時、受け取る時
ポストにストンと収まる音が
とても遥かな響きような。

ポストから相手の手の中へ、
ペーパーナイフの重さ
切り出すときの音
紙の手触り
インクの色
ほのかな香り。


曇り空。雨空。
なんとなく
ぼんやりと眺めて
空に想像を広げてみる。
雨と一緒に大地に落ちて
ホントウになればいいなと思いつつ。

そうだ、また手紙を書こう。
ゆったりとした休日に
cafeにでかけて
あの人とあの人に。
coffeeとcakeと一緒に
あの人とあの人にも。

そんな想像も
大きく空に広げてみる
雨降りの新潟なのでした。
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「これでいい。」

2007年05月16日 | ヤスさん日記
東京はめまぐるしい天気のようですね。
今日の新潟は快晴
猫たちも気持ちよさそうに
お散歩をしたり寝転がったりしております。
愛しのおからちゃんは
いかがお過ごしでしょうか?

一生の終わりに際し
「これでいい。」
というコトバ。
その深みのある一言は
その人の来した道のり。

目の前の道を一歩一歩
しっかりと歩いた時間を包み
自然と溢れ出る空気を
周りにも満たしてくれるようです。
今までがそこに在るということが
如実に、確かに、在るのだなと。

そして未来も。
目の前の道を一歩一歩
しっかり踏みしめていると
確かな高みが今そこに在るのだと
そんな心持の今日この頃です。

もっと作品を創りたいとゆう
衝動が止むことはなく
ただそれをどう表出するか、
きっと限定はないのだなと。
制限はない、囲いはない、
どこでどう開放するかは
無限のドアを解き放つようなもの
かもしれません。

まずは今日も一歩、
しっかりと踏みしめたいものです。
「これでいい。」
といえる日まで。
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「ふわっ」とした瞬間がby職人ヤス

2007年05月15日 | ヤスさん日記
夜のお散歩が気持ち良くなる季節。
四方を田圃に囲まれながら
畦道なぞを歩いていると
カエルの声に包まれて
一段浮いたところを歩いているような
なにかふわふわした心持ちになります。

買い物ついで、夜道のお散歩。
スーパーの自動ドアを出るときの
「ふわっ」とした感じが
この季節の空気を
またひと味増してくれ、
「ふわっ」とした空気の塊の中に
色とりどりの匂いが包みこまれ
五感に染み込むときの
豊饒さが
夜空に浮かぶような
このまま身を任せたくなるような
そんなあたたかい心持ちを
想起させてくれます。

「ふわっ」が与えてくれる空間
走馬燈の様に輝き
楽しくもあり
優しくもあり
また、寂しくもあり
その空間に流れる時間は
一陣の風が瞬く間に
かき消してゆくのです。


さてさて、
ご機嫌ナナメのパソコンさんと、
今朝の鉛色の曇り空。
この二人が少しゆっくりしなさいと
ささやきかけてくれてるような
しっとりとした始まりなのでした。
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心地よい大風

2007年05月14日 | ヤスさん日記
大風吹き荒れる日曜日。
食と美などについて
ゆるゆると楽しんでみました。

マクロビオティック
私の友人の作る野菜の料理は
素材の顔をはっきりと現してくれる
そして他と競わない。
そんな滋味溢れるランチ。
玄米をゆっくりゆっくりと食み
弥彦山を眺めながら
育った大地を想い。
海草の汁の香りをかぎ
その向こうにある日本海を想い。

ゆっくるゆっくりと
身体の中に染み渡ってくる
食物のエネルギーが
身体のうちから
全てを撫でてくれるような
そんなココロ温まるランチ。

そして、なにごとも試みは面白いもの。
しっかりとした洗顔というものは
ひと労働なのだなと。
温泉成分の入った石鹸を
こねこねと泡立て
皮膚に指を当てないように
やわやわと洗い
バシャバシャと流す。

美は一日にしてならず。
周りの女性達は
この労働を朝と晩と
行っているのであるのだなぁ、と
ひとり感慨にふける職人なのでした。

春の大風が
つるつるの頬に心地よく
身体中の細胞ひとつひとつを
洗い流してくれるような
そんな夕暮れなのでした。
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ハードカバー

2007年05月13日 | ヤスさん日記
母の日の今日。
ナガさんはお仕事で一所懸命でしょうか?
カーネーションやバラを
じっと選ぶ子供達、
その横顔の真剣さや笑顔が
店先に一層の華を添えています。

文字の空間に込められた想い。
行間の機微
文字の選び方
呼吸の抑揚、
そんな空間とシンクロしたときは
とてもしっとりとしていて
そして背中を押してくれるようで
日々の虹彩のひとつとして
大切にしたいもの。

久しぶりに手に取った本は
ハードカバー。
そうだった、忘れてた。
この手触りや重さ
装丁に込められた想いや
製作者の試みや挑戦。
そうだった忘れてた。
本も作品のひとつだったのだと
目を閉じ触れてみれば
様々な質感が想起されることを。

値段以上の価値があることが
大切だったのだな、
と思う今日この頃。
もう一度リアル本屋さんでも
ゆっくり探索しようかと思う
大風吹く新潟の朝なのでした。

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憩いのPA

2007年05月12日 | ヤスさん日記
この頃お気に入りの空間
黒崎パーキングエリア。
いろんなナンバーが集い
また走り去ってゆく。
誰でも入れるようで
囲われているようで
高速道路の一コマから
ひとつ、くっきりと浮き上がっているような
そんなひとときの空間です。

朝食をきびきびとだしてくれる
やり手のおばちゃんたち。
ひとくちひとくち、ゆっくりとはみながら
おばちゃんありがとと想いながら
新潟の飯はやっぱりうまいと思いながら。

外にでれば鳥のさえずりと
楽しそうなライダーや家族連れ、
みんな何処までゆくのかしらん。
と思いつつ。
大きな伸びとベンチに転がり
見上げる空は一層青いようです。

瞼を閉じれば
北海道、九州、京都、奈良
イタリア、フランス、アフリカと
ココロの旅はどこまでも行けるものです。
これぞ無銭旅行なのです。

想いと思い
在ると有る。
日常の小さな一コマに
希望を持てるのも
そんな想いがつながること
そこに在るということではないかと
思う今日この頃。

些細なdifferenceの中にこそ
大きな宝物が入っているものですね。
花曇りの土曜日は
ここちよい風とともに
ゆるやかに始まりそうです。
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